昨日7日(2022年2月)に行われた北京五輪の新種目ジャンプ混合団体。メダルを期待された日本だが、女子のエース、高梨沙羅がスーツ規定違反で失格となる波乱があった。いったい何が起こったのか。「モーニングショー」は昨日に続いて長野五輪金メダリストの船木和喜さんをスタジオに呼んで話を聞いた。
小林陵侑、佐藤幸椰、高梨沙羅、伊藤有希の4人で臨んだ日本チームは、トップバッターの高梨選手がK点超えの103メートルの大ジャンプで全体2位とメダル射程圏内。続く佐藤選手も見事に決めたが、その直後、高梨選手の失格情報が飛び込んでくる。高梨選手は2日前の個人戦と同じスーツだったが、なぜ規定違反となってしまったのか。
ドイツなど4カ国5人が失格
スキージャンプのスーツは、国際スキー連盟の規則でボディーと一致している必要があるが、ジャンプ後の抜き打ち検査で、高梨選手のスーツは太もも周りが2センチ大きかった。
日本女子チームの横川朝治ヘッドコーチは「スタッフのミス。標高の高さや寒さが厳しかった分、思ったより筋肉が張らなかったか」と原因を語っている。
高梨選手は頭をかかえて座り込んだまま動けない。混合ジャンプは、全体の8位までが2回目に進めるが、1人目のポイントが入らない日本は崖っぷちに追い込まれた。
しかしここから伊藤選手、小林選手が巻き返し、日本はギリギリ8位に食い込んだ。
2回目に挑む高梨選手は北京五輪最後のジャンプも98.5メートルの大ジャンプだったが、試合後はしばらく動けない。涙を浮かべて報道陣に一礼、インタビューに答えることはなかった。
その後は小林選手が106メートルとヒルサイズのジャンプを飛ぶなど追い上げた日本。メダルには一歩届かなかったものの4位に食い込んだ。
この日失格になったのは日本だけではない、メダル候補のドイツ、オーストリア、ノルウェーと、4カ国5人が失格となる大波乱だった。
船木和喜(長野五輪金メダリスト)「スキーの長さ、体重、生地の通気量など、何のチェックをされるかは下に降りないとわからないが、今回は異例で組織の考えかも。選手も大変だがそれが理由にはならない」
司会の羽鳥慎一「試合後にやって失格というルールはどうなんだろう」
長嶋一茂(スポーツキャスター)「寒いと立ってるだけで体重は減っていく。失格はオリンピックであってはいけない。今後は失格者を一人も出さないことを競技委員にお願いしたい。ほかの3選手が穴を埋める日本のチームワークのすごさに胸を打たれた。ドイツ、オーストリアはあきらめちゃってやる気がない」
菊間千乃(弁護士)「長野五輪のときもテストジャンパー含めてチームワーク一体だった。失敗も勝利を勝ち取る時もみんなで一緒。あのときのことを思い出した」
番組では中継で小林陵侑選手にも話を聞いた
小林選手「(高梨選手失格は)しょうがない。自分は自分のできるパフォーマンスをしよう。(2回目は)沙羅もあんなメンタル状況の中、いいジャンプしてました。4位まであがった。誇りに思っている」
(みっちゃん)