聖火最終ランナーにウイグル選手 橋本五郎「これほど露骨な政治利用は珍しい」

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   北京五輪の最終聖火ランナーにウイグル族の女性が起用されたことに、読売新聞の橋本五郎・特別編集委員は、「これほど露骨な政治利用の五輪は珍しい」と驚いた。7日(2022年2月)のスッキリは、北京五輪の「政治利用」に焦点をあてた。

   北京五輪の開会式の4日夜。最後に登場した聖火ランナーには、ウイグル族の女性のディニグール・イラムジャン選手が他の男性選手とともに起用された。中国の国営テレビではイラムジャン選手の家族らが、涙しながら開会式を見る映像を放送した。親族の一人は、「今日の開会式を見て、とても感激しました。彼女が最終走者をつとめたのを見て、感極まると同時に、誇りに思いました」。

  • 北京五輪をめぐり様々な論議が
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加藤浩次「ある種の政治利用という批判があります」

   こうした演出に、米ニューヨークタイムズ紙は「中国は挑発的な選択をした」「最大の批判のひとつに直面することになった」と報じた。

   MCの加藤浩次は「ある種の政治利用という批判があります」。

   橋本編集委員も「露骨な政治利用」として、2つの事実を指摘した。平和の祭典の直前に、ウクライナ問題が戦争になるかどうかという状況の中で、中ロ首脳会談が行われて、米国らに対抗しようということを確認した。それと、五輪が始まる前に中国の選手団が結団式をしたが、このシュプレヒコールの中で「指導者に報いて捨て身になって、総書記に付き従い、ともに未来へ」と。政治指導者に、自分たちは尽くすんだ、と叫んだ。

   北京五輪には、米国、英国、オーストラリア、カナダなどが「新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を許さない」として「北京五輪に政府関係者や閣僚を派遣しない」と表明した。こうした外交ボイコットに対し、中国は断固とした措置をとる、と猛反発していた。

   開会式には、24カ国の首脳、王室関係者が出席したが、中東や中央アジア、東南アジアなど親中国の国々で、外交ボイコットに対抗する意味があった。橋本氏は「五輪は政治利用をある程度避けられないところはあるけれど、これほど露骨なものは珍しい」。

   ニューヨーク市では3日(現地時間)、北京五輪に反対する人たちの反対デモが行われた。「血にまみれた五輪はもうこりごりだ」「人権なくして五輪なし」。4日には東京でも、「北京オリンピックボイコット」を訴えるデモが行われた。ウイグル出身の男性は、「ウイグルに残っている家族が、罪もなく強制収容されて、当たり前の日常や平和をぶっ壊している最中に、『平和の祭典』を何ごともなかったように開催するというのは、許せない」。

(栄)

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