東京都はきのう3日(2022年2月)、新型コロナウイルス感染の緊急事態宣言を申請する新しい基準を発表した。これまでは「病床使用率50%以上」をひとつの目安にしていたが、条件を引き上げた。新しい基準は「重症病床の使用率、入院患者の酸素投与率のどちらかが30~40%となり、新規感染者が7日間平均で2万4000人を超えた場合」とした。
ホテル代助成などの対応策も説明
酸素投与率40%というのは第5波のピーク前の数字、2万4000人というのは東京都内で働く800万人の1割が感染・濃厚接触で欠勤する数字だという。けさ4日の「スッキリ」は、緊急事態宣言は出るのか出ないのか、これでオミクロン株は終息に向かうのかを取り上げた。
リモート出演の国際医療福祉大の松本哲哉・主任教授は、「すでに相当厳しい状況になっており、来週くらいにはこの新基準に達してくる可能性が高いです」と見ている。来週後半に緊急事態宣言が発出されるかもしれないということである。東京都も宣言要請を想定しているようで、新たな感染対応を発表した。
司会の羽鳥慎一「無症状の濃厚接触者が、検査キットの申し込みをすると宅配されます。高齢者の家庭内感染を防ぐため、1泊5000円のホテル代が助成され、都立学校は分散登校とオンラインを組み合わせたハイブリット授業となります。保育所は原則開所ですが、休園の場合はベビーシッターの派遣などもあります」
では、これで新型コロナは抑え込めるのか。玉川徹(テレビ朝日)は首をひねった。「感染拡大の根本的な原因は、指数関数的に感染者が増えているということですよね。ここを何とかしないと、どんな対策をやっても追い込まれていくということじゃないですかね。もう感染を減らす方法はないんじゃないかという感じもしてきてるんですけど、何かありますか? 松本先生」
松本教授「ワクチンでしょうけれど、それも3回目が済んでいる人は4%前後で、検査もできないという二重苦ですからねえ。もう経済は回らなくなってきています。人から人への感染を減らすしかないわけで、リモート、外出制限、お店を閉じるといったことを2週間ぐらいやることも考えるべきでしょう」
感染防止か経済かという議論になるが、東京で働く人の1割が欠勤したら経済も社会はマヒする。しかし、東京都モリタリング会議メンバーの大曲貴夫医師は2月10日の新規感染者数を2万4756人と推定しており、「東京封鎖」は現実味を帯びてきた。
(カズキ)