「どうやって医師、看護師を守るのか」 埼玉立てこもり事件うけ橋本五郎、問題提起

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   埼玉県ふじみ野市で、母親(92)をみとった医師らを、息子(66)が自宅に呼び出して散弾銃で撃ち殺した事件で、「訪問看護」の問題点が浮かび上がった。患者やその家族と医師や看護師の間でトラブルになる事例が少なくない。31日(2021年1月)の「スッキリ」が取り上げた。

   殺人の疑いで28日に逮捕された容疑者(66)は、約20年前に都内に住んでいた。近所の人によると、「母親と住んでいた。借金取りが来て、ドアをドンドン叩いて大声を出したり。出来の悪い息子をかばっている感じでした」。「未使用のエアガンがあるから、2000円で買ってくれないか?と。買い取ったら、水道代が払えるって帰っていった」。

  • 医療関係者の安全確保も問われている
    医療関係者の安全確保も問われている
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訪問看護に関する調査結果

   医師の鈴木純一さん(44)は、胸を散弾銃で撃たれ、心破裂で即死状態だったとみられる。近くの住民によると、「やめろー!」「パン」っていう感じだった。「痛いよ」とか「助けて」とか、うめき声が聞こえた、とも。容疑者はまず、1階玄関わきの部屋で鈴木医師を撃った後、理学療法士にも発砲。医療相談員に催涙スプレーを吹きかけた後で、別の相談員にも発砲した。

   警察の調べでは、容疑者は「(介護していた)母が死んでしまい、自殺しようと思ったときに、先生らを巻き込んで殺そうと思った」。鈴木医師は担当医だったが、事件発生の前日に母親の死亡を確認した。容疑者は鈴木医師らクリニック関係者合わせて7人を呼び出した。鈴木医師に対して「まだ生き返るはずだから、心臓マッサージをしてほしい」。しかし、鈴木医師が断ったためトラブルになった、と見られている。

   鈴木医師は、富士見市にクリニックを開業、医師が訪問する「在宅医療」をしてきた。現場周辺に患者約300人がおり、地域の在宅医療の中枢を担ってきた。鈴木医師の診察を受けていた女性は「僕の知識を全部かき集めて診てあげるから、ぼくのところに来なさい、と言ってくださった」。別の患者も「24時間いつでもいいから電話して、と」。

   読売新聞の橋本五郎・特別編集委員は、「訪問看護の大きな問題点だ。患者も家族も、どうしてもイライラが募るし要求もある。訪問看護師の53%が精神的暴力を、45%が身体的暴力を受けているという調査がある。どうやって医師、看護師を守るのか。1人でなく2人でいくとか。警備会社とすぐに連絡つくようにするとか。これから方法を考えなければ」

(栄)

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