きょうから春節(旧正月)の休暇に入った北京市では、冬季五輪開幕を4日(2022年2月)に控え、新型コロナ感染防止への厳戒態勢が厳しくなっている。日本テレビから現地に派遣された辻岡義堂アナウンサーが、1月31日のスッキリで伝えた。
31日朝の北京は零下3.4度。時差は日本より1時間遅れの午前7時過ぎ。薄明るくなり始めたメイン・メディアセンター前から、先週金曜日に会場入りしたばかりの辻岡アナウンサーが現地の様子をリポートした。「新年好(シン・ニェン・ハオ)」。同アナウンサーは、明日が春節(旧正月)にあたるため、中国語で「あけましておめでとう」とあいさつした。メディアセンターは幅460メートル、奥行き150メートルで1日に約5000~6000人が利用するが、この周辺一帯が周囲との往来を断たれたひとつの「バブル」となっている。
「薄着のリポート」のワケ
選手35人を含めた83人の日本選手団も昨日北京に到着したが、出発前のPCR検査は、全員が陰性だった。北京五輪は、東京五輪と同じ「バブル方式」を導入、行動範囲を限定し外部との接触を徹底的に遮断した。辻岡アナが先週金曜日に到着した北京首都国際空港は、案内係員など全員が防護服に身を包んでいた。長い列ができていたのがPCRの検査場。報道陣は滞在期間中、毎日1回、検査を受ける。実は、辻堂アナは、飛行機の中にダウンジャケットを置き忘れてきた。係員に問い合わせて確認したが、機内との往来が禁止されているため、帰国後の東京の空港まで返還されないことに。おかげで、この日の夜明けの仕事はジャケットなしの薄着のリポートとなった。
競技場などのバブル間をつなぐのはバス便だけ。自転車に乗ったり、公園で遊んだり、凍った川でスケートをする市民の姿はすべて、バスの窓の向こうで声もかけられない。電車の移動もあるが、ホームの半分から奥はメディア関係者は立ち入り禁止だ。メディアセンターでは、ロボット掃除機が数台走り回っている。ロボットゴミ箱も人の後を追いかける。「私もトイレに行くときに追われました」と辻岡アナ。
市民との接触は原則禁止だが、建物の向こう側の約10メートル離れた仕切りの陰にやってきた市民に声をかけると、「五輪にはすごく注目しています。毎日ニュースを見ています。初めての北京ですか?もしバブルから出られたら、北京ダックごちそうしますよ」。
読売新聞の橋本五郎・特別編集委員は、「今度の五輪は香港とか新疆ウイグルの人権問題の行方、選手の政治的な発言についても注目される」
(栄)