遊川和彦脚本が仕掛ける「こんな男見たことがない」世界――松本潤が「となりのチカラ」を熱演

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   1月20日にスタートした、テレビ朝日の木曜午後9時からの連ドラ「となりのチカラ」第1回を見ました。

   これは、脚本・演出が遊川和彦で、主演は松本潤です。

   主人公の中越チカラ(松本潤)は、売れない小説家で、妻の中越灯(上戸彩)と男女2人の子供との4人家族。中越一家が、とあるマンションに引っ越して来るところからドラマが始まります。(※この原稿は、ネタバレを含んでいます)

   中越チカラ(松本潤)は、人が良く、優柔不断で、おせっかいで、観察力が旺盛です。隣の人のことは、わからない、興味がない、関係ないという世の中で、脚本の遊川和彦は、チカラで「思いやりと人間愛に溢れた、こんな男は見たことがない」という世界を創り出そうとしているのです。

   チカラ(松本潤)が引っ越しの挨拶に、隣室の木次家を訪れると母子が、身を寄せるようにしていました。そこに主人の木次学(小沢征悦)が帰って来ます。チカラは彼にどこかで会ったことがあるような気がしますが、思い出せません。

  • テレビ朝日の「となりのチカラ」番組ツイッター(@chikara2022_ex)より
    テレビ朝日の「となりのチカラ」番組ツイッター(@chikara2022_ex)より
  • テレビ朝日の「となりのチカラ」番組ツイッター(@chikara2022_ex)より

自分は中途半端でも、困っている人をほうっておけないチカラはこれからどうなる?

   翌日、木次家の様子がおかしいので、おすそわけを口実にチカラが木次家を訪問すると、娘が冷たい水風呂につけられていました。辻褄あわせをする木次(小沢征悦)を見て、チカラは何年か前に木次がデパートで娘の誕生日祝いにぬいぐるみを選んでいる所を目撃したことを思い出します。

   「自分は、中途半端でダメな存在だけど、あなたが娘さんのために一生懸命ぬいぐるみを選んでいる姿を見て勇気をもらった」と熱く語り、「今後とも、よろしくお願いします」と言うのです。

   寝る前にチカラはひとり考えます。「自分の家の子達には、何の不安もない。しかし木次の娘は、眠れない夜を過ごしている。他にも世界中にいっぱいそういう子がいる」。

  

   優柔不断なチカラが、孤独な現代人の心を救うことができるのでしょうか。遊川脚本は、私たちにどんな世界を見せてくれるのでしょうか。

   チカラの天真爛漫と言っていい純粋さが、今の嫌な世の中を救ってくれるような気がします。今までにない社会派ホームコメディー「となりのチカラ」は、未来を切り開くものです。

   このドラマは、他にも道尾頼子(松嶋菜々子)や、柏木清江(風吹ジュン)といった錚々たる俳優達が顔をそろえており、今後も目が離せない作品になりそうです。

渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。
渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。
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