「相棒 season20」(テレビ朝日系)1月26日(2022年)放送回に、俳優の山本舞香さんがゲスト出演した。(ネタバレあり)
ある夜、汚れた服で傷だらけ、裸足の女性(山本さん)が多岐川という家を訪れる。女性はインターホンに出た多岐川愛子(宮田早苗さん)に、「お母さん、会いたかった。お母さん...」と言ってその場に倒れ込む。
「絵」にそっくり
愛子と直樹(筒井巧さん)の娘・未来は13年前、10歳の時に失踪。それ以来行方がわからなくなっていた。多岐川家には未婚のまま若くして亡くなった人を仮想で結婚させ、その様子を描写する「冥婚絵」が飾られていたが、突然家に来た女性はその絵の未来にそっくりだった。
「男の人に、ずっと監禁されてて...」と言う「未来」を愛子と直樹は家に上げ、「未来」の希望で警察には届け出ず。しかし愛子と直樹に依頼されて未来の冥婚絵を描いた元似顔絵捜査官・黒瀬和成(勝部演之さん)がたまたま「未来」の姿を見かけたことで、捜査一課の伊丹憲一(川原和久さん)や特命係の杉下右京(水谷豊さん)、冠城亘(反町隆史さん)の耳にも入ることになる。
その頃、自宅で背中にはさみを刺されて死んでいた西條雅弘(横井翔二郎さん)の部屋で、黒瀬がホームページで公開している未来の冥婚絵をプリントアウトしたものが見つかった。
杉下と冠城は多岐川家を訪れ、西條の写真と、失踪当時に愛子の記憶をたよりに黒瀬が描いた、未来のランドセルを持って歩いていたという男の似顔絵が似ていないことについて問いただす。愛子は男の顔をはっきりとは見ていなかったと告白、直後に床に倒れ込んでしまう。
愛子は末期がんを患い、余命幾ばくもない状態だった。「未来」は黒瀬の自宅に押しかけ、「犯人はあの似顔絵の男じゃなかった。なのにあんたがあんなデタラメな絵を描いたせいで私は、お母さんは!」と胸ぐらをつかんで怒鳴る。
黒瀬は工藤雄一郎(伊藤風喜さん)という男に少女を拉致・監禁した前科があることから、未来の事件も工藤によるしわざに違いないと思い込み、工藤の似顔絵を描いていたと特命係の2人に打ち明ける。そして10日ほど前、「冥婚絵を見て、目が覚めました。僕が未来ちゃんを殺して、遺体は山の中に埋めました」と告白する電話が来たとも話した。
「私もこんな家に生まれてたらなぁって...」
西條はピアノ教室の講師・松尾紗月(街田しおんさん)と不倫関係にあり、その場面を目撃した未来を追いかけるうちに揉み合い、誤って階段から突き落としてしまった。西條と松尾が共謀して未来の死体を山中に埋めたが、未来の冥婚絵を見つけたことで「自首したい」と言い出した西條を松尾が殺害したのだった。
未来を名乗る女性の正体は、梶本彩奈というガールズバー店員だった。繁華街でたまたま直樹が彩奈を見かけ、最初は本当に未来だと思った直樹が、余命わずかの愛子のために彩奈に未来になりすますよう持ちかけていた。彩奈は
「何言ってるの?とは思ったけど、それから毎日店に来て、なんだか必死すぎたし。それに、たくさんお金もくれるって話だったから...」
として、直樹に従ったという。
「愛子さんを騙すことに、胸が痛まなかった?」と冠城に聞かれた彩奈は、
「お母さんが気付いてないと思う?母親だよ?いくら絵に似てたって、私が本物の未来ちゃんじゃないことぐらい気付いてるよ」
「でもね、ほんとに楽しそうなの。お父さんが言ってた。私が来てからずいぶんお母さんの加減がよくなったって」
「ほんとにいい人たちなんだよ。不器用だけど、お互いのことを想い合ってて。私もこんな家に生まれてたらなぁって...」
と、愛子と直樹への想いを打ち明けた。
彩奈は最後に、「じゃあ私行くね。お母さん病院から戻ってると思うんで」と言い、特命係の2人に別れを告げた。
「本当に素晴らしかったです」
ガールズバー店員から頼まれて赤の他人の娘になりすまし、仮の家族に対する愛情も芽生えるという難しい役どころを演じきった山本さんに、ツイッターなどでは
「彩奈の不器用ながら未来母が死ぬ迄未来を演じようとする姿がいじらしかった(山本舞香さんがお芝居巧かった)」
「嘘の関係から本当に慕っていく様子が本当に素晴らしかったです!」
「山本舞香ちゃんの熱演に心から拍手!」
といった声が上がった。
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