大学入学共通テストの問題の画像が試験中に流出した問題について、画像をもとに解答を返信したという東京大学の学生が「モーニングショー」の取材に応じた。きょう27日(2022年1月)の番組で取り上げた。
流出したのは、今月15日に行われた共通テスト初日の「世界史B」。受験生とみられる人物が試験中に問題を撮影して複数の大学生に解答を依頼していた疑いがもたれている。
家庭教師紹介サイトを通じて
共通テストとは知らずに解答を送った東大生(21)によると、登録していた「家庭教師紹介サイト」に今月14日、高校2年生の女子生徒と名乗る人物から「1月15日に体験授業をしてほしい」「家庭教師に採用するかどうかのテストをしたい」などという依頼のメッセージが届いた。
試験当日、東大生の携帯には、午前10時56分に問題の画像10枚が送られてきた。「この問題をお願いします。大問一つ解ける毎にまとめてこのチャットに送ってもらえたらと思います!」というメッセージがついていた。東大生が30分ほどで解答を送信すると、「はい!ありがとうございます!」とお礼のメッセージが届いた。午後は古文漢文のテストを依頼されていたが、午後1時12分に「ごめんなさい。一旦古文漢文なしでお願いします」というメッセージが届いた後、音信不通となった。
その後、東大生はネットに同じ問題が解答速報のような形で上がっているのに気づき、文部科学省に通報したという。「『あ、だまされたんだ』と。今思えば、同じ時間帯で同じ日に同じ教科の問題を解くなんて明らかに不自然と言われればそうなんですが、お願いを受けたときは夢にも思わなかった」と話していた。
共通テスト会場に電子機器の持ち込みは可能だが、試験中は電源をオフにしてカバンにしまう必要がある。だとしたら、問題の画像はどうやって撮影されたのだろうか。送られてきた画像と同じ角度で撮影しようとすると、かなり高い位置に左手でスマホを持ち上げないと難しい。ITジャーナリストの三上洋氏は「小型のスマホを袖口に隠すことは可能。スマホの裏側を3回たたいたら撮影するという設定もできる」と手口を推測する。
斎藤ちはるアナウンサーは、「コロナ禍で受験同士の間隔が広く、換気のため広い教室を使っており、試験官や他の受験生の目が届きにくい。家庭教師紹介サイトはクレジットカードを登録するので、身元はすぐに判明する可能性が高い」という大学ジャーナリストの石渡嶺司氏の見方を紹介した。
MCの羽鳥慎一「目的がどうなのか。本当に単純に答えを知るためだけだったのか。うーん」
玉川徹(テレビ朝日社員)「こんなことができるんですねぇ。組織か、個人かということもありますが、こういう問題があるということが分かってしまったことがいちばんの問題です」
石山アンジュ(「パブリックミーツイノベーション」代表)「これだけデジタルが進化した時代においては、人の目の監視には限界がある。一発勝負のセンター試験方式ではなく、学生の能力をもう少し多面的にみられる試験制度に変わっていくべきなのかとも思います」
(キャンディ)