トミーの運転で2人の思い出の海へ
錠一郎から「もう解放してくれ」と言われて別れを決心したるいだったが、ラジオから2人の思い出の曲、ルイ・アームストロングの「On The Sunny Side Of The Street」が流れてきて、いてもたってもいられず再び錠一郎の宿を訪れる。しかしそこにいたのはトミーだった。
「はぁ~、どこ行ったんやあいつ。今日は医者に行く約束やのに」
とぼやくトミーに頼み、るいはトミーの車で錠一郎との思い出の海に向かう。そこには服を着たまま海へ入っていく錠一郎の姿があった。るいが駆け寄って錠一郎を抱きしめると、錠一郎は
「暗闇なんや。歩いても歩いても、暗闇しかないんや。どこへ向かって歩いていいんかわからん。サニーサイドが見えへん」
と弱々しくつぶやく。るいが
「怖がらんでいい。私が守る。あなたと2人で、ひなたの道を歩いていきたい」
と伝え、2人は海の中で抱き合う。そんな2人の姿を、遠くからトミーが見つめていた。