1月10日、フジテレビの月9ドラマとしてスタートした「ミステリと言う勿れ」を見ました。このドラマは、大人気漫画が原作です。
主人公は久能整(菅田将暉)で、ごくありふれた大学生なのですが、いつも淡々としていて、観察力が鋭く、優しく、そしてクールです。
その久能(菅田将暉)が、ある日突然えん罪事件に巻き込まれます。藪鑑造(遠藤憲一)警部補が突然アパートに来て、事情聴取に応じるように言います。渋々ながら応じた久能は警察署で、あらぬ疑いをかけられます。久能の同級生の金持ちのボンボンを、殺したのではという疑惑です。(ネタバレあり)
捜査チームの風呂光聖子(伊藤沙莉)巡査は、職場での自分の存在意義に悩んでいましたが、ペットが急死したことを小耳にはさんだ久能から優しい言葉をかけられ、久能に親近感を持つようになります。
真実は人の数だけあるが、事実は一つだ
えん罪事件は、実は藪鑑造(遠藤憲一)の仕業でした。久能は何日も警察署で取り調べを受けながら、鋭い洞察力で、淡々と矛盾点を突き、持論をとうとうと述べ、その場にいながら風呂光(伊藤沙莉)巡査を動かし、やがて自分の無罪を立証してしまうのです。
藪のやったことを、久能が冷静に解き明かしてみせると、藪もいろいろな想いがめぐり、久能につかみかかったり、涙を流したり、やがて観念したかのようにうなずきます。
久能が言う「真実は人の数だけ有るが、事実は一つだ」という言葉が、本当に身にしみます。
風呂光(伊藤沙莉)は、皆に馬鹿にされていましたが、最後に久能に「もしつかまるなら、あなたにつかまりたいです。」と言われ、辞職願を捨てます。
風呂光は仕事を辞めたいと思っていたのに、事情聴取を受けている久能の指示で捜査をして事件の解決に繋げ、巡査としての使命感に目覚めるという点は皮肉っぽい感じがしますが、これがドラマの要なのでしょう。
久能の冷静で、鋭い観察力を持っている所と、藪の復讐心に満ちた行動のギャップが際立った第1回でした。今までにない新しいドラマの誕生という気がします。