木曜ドラマ「となりのチカラ」(テレビ朝日系)第1話が、1月20日(2022年)にスタートした。(ネタバレあり)
優柔不断で困っている人を放っておけない自称小説家・中越チカラ(松本潤さん)が、引っ越した先の東京郊外のマンションで訳ありそうな住人たちと出会い、関わっていくストーリー。初回ではエリート会社員の木次学(小澤征悦さん)と妻の達代(映美くららさん)、娘の好美(古川凛さん)が暮らす隣の部屋から怒鳴り声と悲鳴が聞こえてきて、いてもたってもいられなくなったチカラが訪れてみると、好美が服を着たまま冷水を張った浴槽に入れられていた。
「ホッとして腰の力が抜けるチカラ」
一見物腰柔らかそうな学は「遊んでいただけ」と言い張るが、チカラは虐待ではないかと疑う。息子の高太郎(大平洋介さん)が下品な単語をバレないように言うためにハマっている手旗信号にヒントを得て、マンションの外で1人ブランコに座って絵を描いている好美に、「たすけて」という手旗信号を教え、困ったことがあったらサインを送るようにと高太郎の旗と手旗信号の五十音表を渡した。その時帰ってきた達代は、チカラに「お願いですからもうほっといてください、私たちのことは!これ以上つきまとうならストーカーだって警察に訴えますよ!」と言い渡した。
マンションの前にあるカフェでチカラが仕事をしていると、ベランダに出て旗を振っている好美の姿が目に入る。好美が送ったサインは、チカラが教えた「たすけて」ではなく、「ありがとう」だった。直後に好美は達代に呼ばれて部屋の中に入ってしまったが、「好美ちゃんが少しだけ心を開いてくれた。ホッとして腰の力が抜けるチカラ」(ナレーション)なのだった。
その翌朝、今度は上階から「助けて」と叫ぶ声が。やはり放っておけないチカラが行ってみると、真上の部屋に住む柏木清江(風吹ジュンさん)が廊下に飛び出してきて「うちに知らない男がいるの。強盗よ、きっと」と言う。チカラはおそるおそる部屋に入ってみたが、中にいたのは清江の孫で高校生の託也(長尾謙杜さん、なにわ男子)だけだった―というところで第1話は終わった。
「猫(田中哲司さん)だったとは」
虐待にヤングケアラーと、現代社会の重大な課題を取り上げる内容だが、ドラマ自体は「だめだ!全くもっていいアイデアが浮かばない。仕事も、お隣のことも」「誰か教えてくれ~!こんな時どうすればいいんだ!」など、チカラの言動を説明したり、心の中を代弁したりするナレーションによって軽妙な印象に仕上がっている。この少しとぼけたナレーションが、「あ、お気付きかもしれないが、さっきからしゃべっているのは、何を隠そう吾輩である」と、マンションの前に居座る猫によるものだったことがラストで明かされ、さらにエンドロールで猫の声の担当が俳優の田中哲司さんだと判明した。
物語が猫によるナレーションベースで展開することや、田中さんが猫役という意外さに、ツイッターなどでは
「ナレーション誰か気になってたが猫(田中哲司さん)だったとは 猫も田中さんもいい」
「猫ちゃんのナレーション斬新!ナレーションあるだけで心情めっちゃわかりやすくて良いね」
「猫ってドラマの名脇役だよね 喋ってる声は田中哲司さん これからどんなキーパーソンになるのかな」
といった声が上がっていた。
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