1都12県に対するまん延防止重点措置の適用が正式決定した19日(2022年1月)、東京・新橋の公園ではベンチなどに座り一人で食事する「青空個食」を行う人の姿が目立った。池袋の公園でも青空個食の風景が見られた。彼らの多くが「飲食店では密が怖いし、オフィス内でも密になるのが怖くて、外で食べるようにしている」と話した。タクシーなど車を運転する人も外食を避け「車内個食」する姿が見られた。
人流抑制か人数制限か
19日は全国の新規感染者数は過去最多の4万1492人。東京でも過去最多の7377人となった。その危機感が生んだランチタイムの光景かもしれない。スーツ姿で自転車に乗っている人も増えており、彼らは「通勤電車が混んでいて怖い」と自転車通勤に切り替えていた。
政府分科会の尾身茂会長は19日、「ステイホームや店を閉める必要はない。外出自粛や人流抑制ではなく、人数制限が一つのキーワードになる」とコメントした。その理由は、大声を出してパーティや会食をした人が感染の大部分を占めているからだという。岸田文雄首相も尾身会長同様に「社会経済生活の制約ではなく、大声での会話リスクや人数制限が有効」と話した。しかし、東京都の小池百合子知事はこれまで通り、「不要不急の外出自粛、都県境を越えての移動自粛」を呼び掛けた。
司会の谷原章介は「尾身会長と小池知事の言っていることが違うのでわかりにくい」とコメントすると、永島優美アナも「食い違いを感じている人は多いかもしれません」と指摘。
尾身会長は、東京・渋谷の年末カウントダウンについて、「いくら混んでいても渋谷の交差点や駅前で感染はほとんどしないでしょう。それより、どこかで集まって飲んでいるということになると感染が高いということが今回もはっきりしている」と話し、(1)大人数での会合、(2)大声、(3)換気不十分、(4)不適切なマスク使用の4つのリスクを避けるべきとした。
弁護士の橋下徹は「人流抑制効果を政府が検証していないから、こういう混乱が起きる。本気で人流抑制するなら中国のようにすれば効果があるのは明らか。中途半端な人流抑制では効果がないのに、いまだに人流と言っている。間違ったことを補正して、メンツを捨てて対策を出してほしい」と指摘。