日本列島の沿岸に1メートル以上の潮位変化をもたらした、南太平洋のトンガ諸島の海底火山の噴火は、「100年に1度」という大規模なもので、「約10万人の人口のうち8万人が被災した」可能性もあることがわかってきた。18日(2022年1月)の「モーニングショー」が伝えた。
今回噴火した海底火山は、2014年にフンガ・ハアパイ島とフンガ・トンガ島の間の海域で噴火があり、一つの島になった。それが再び噴火した。大噴火の噴煙は高さ約20キロに達した。地質学者のデビッド・タッピン氏は、「非常に大きな爆発で、衛星写真でも確認できるほどでした」。
富士山宝永噴火より「大きい」
国連衛星センターが昨日夜に公開した衛星写真では、火山周辺には285ヘクタールの陸地があったが、噴火後にはすべてなくなっていた。火山から北側に約60キロ離れたノムカ島では、海岸の地形は削られ、建物もなくなっていた。首都ヌクアロファの空港では、滑走路の白線が見えず、周辺には津波の痕跡が見られた。去年8月に大量の軽石が日本列島にも漂着した元になった小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火は、日本国内では戦後最大級の規模だったが、専門家によると、今回のトンガ火山の噴火は、福徳岡ノ場の10倍だという。
きのう17日のロイター通信によると、海底ケーブルが損傷して、トンガ国内のインターネットや国際電話など通信網を遮断。トンガに10年来の友人がいる男性は、噴火直後にメッセージ「Are you OK for Tsunami?」を送ったが、3日経った今も連絡が取れていない。通信網の復旧には最大2週間以上かかる可能性がある。
AFP通信は、日本時間17日午前7時過ぎ、「トンガで再び大規模な噴火が観測された」と報道したが、昼過ぎには「新たな噴火は当局に確認されていない」として、記事を削除した。情報が錯綜するなか、オーストラリアやニュージーランド政府は17日、偵察機を出動させ、被害状況を確認中だ。国際赤十字・赤新月社連盟のマセオウ氏は、「津波で壊滅的な状況になったことはわかっている。最大8万人に影響が及んでいる可能性がある」。トンガの人口は約10万人。
鹿児島大の井村隆介・准教授によると、今回の噴火の規模は「100年に1度」クラスだという。火山爆発指数は推定「5」で1707年の富士山宝永噴火よりは大きい。「再び大きな噴火が起きると、カルデラが形成され、津波が発生する可能性もある」と井村氏は言う。玉川徹(テレビ朝日社員)は、日本国内にカルデラが多いとして「私たちは巨大な爆弾の上に住んでいるようなものなんだ、と改めて思った」と感想をもらしていた。
(栄)