おととい15日(2022年1月)、東京都文京区の東京大学前で大学入学共通テストの受験生2人と70代の男性が刺された事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された名古屋市の高校2年生の男子生徒(17)は「医者になるために東大を目指していたが、成績が振るわなくなった。医者になれないなら人を殺して切腹しようと考えるようになった」と供述している。
男子生徒は前日の深夜、名古屋から高速バスに乗り、当日の午前6時ごろに東京駅に到着、現場周辺を下見に来たという。刃物は自宅から持って来たといい、ほかに可燃性の液体を持っており、警視庁は計画的な犯行だとみて捜査している。
学校コメントを読み上げ
司会の安住紳一郎がけさ17日、逮捕された高校生が通っていた学校が発表したコメントを紹介した。「この時期に学校がコメントを発表するのは珍しいと思います。少し長いんですが、紹介したいと思います」と全文を読み上げた。その趣旨は次のようだ。
「『密』をつくるなという社会風潮のなかで、個々の生徒が分断され、そのなかで孤立感を深めている生徒が存在しているのかもしれません。今回の事件も、事件に関わった本校生徒の身勝手な言動は、孤立感にさいなまれて自分しか見えていない状況のなかで引き起こされたものと思われます。今後の私たちの課題は、そのような生徒にどのように手を差し伸べていくかということであり、それが根本的な再発防止策であると考えます」
読み上げた安住は自分の考えについて以下のように語った。
「実際にどういう気持ちで事件を起こしたのか、本人に聞かなければ分かりませんが、一方で、無差別襲撃事件を起こす心理、その背景には社会に受け入れられていないという社会に対する恨みを抱えていることが多いといわれます。特に受験、就職などに失敗した時に自分は必要とされていない、自分のことを認めない社会を絶対に許さない、そういう気持ちになるという気持ちは私も分かりますが、ただ、決してこういうことをしても前向きには解決できないと思います」
そして、「あまりにもこうした事件が多すぎます。社会全体としてそろそろ何か行動を起こすべきではないかと私は感じました」と述べた。
(一ツ石)