「空振」とは何か トンガ噴火と津波警報、スッキリで解説

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   南太平洋のトンガ付近で、日本時間15日(2022年1月)午後1時過ぎに発生した海底火山の大規模噴火は、約8000キロ離れた日本をはじめ、米カリフォルニアやペルー、さらに大陸を隔てたカリブ海でも潮位変動を引き起こすなど、地球規模での影響を与える異例の事態となった。噴火でいったい何が起きたのか。17日の「スッキリ」では潮位変動のメカニズムについて専門家に話を聞いた。

   人口約10万人の島国トンガ王国。噴火後には首都のヌクアロファで80センチの津波が観測され、海水が住宅地に押し寄せる映像も撮影されている。しかし、噴火6時間後に南太平洋ナウルで観測された潮位変動はわずか数センチで、気象庁はこの時点では津波警報や注意報は発表しなかった。しかし、午後11時頃に小笠原諸島の父島で潮位が50センチ上昇。鹿児島県奄美大島でも午前0時前に1メートル20センチの潮位上昇を観測した。このため気象庁は防災上の観点から津波警報と注意報を午前0時15分に発表。8県の23万人を対象に避難指示を出した。

  • 番組ツイッターより
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加藤浩次「今後は予測しやすくなりますか」

   青森県八戸港のカメラをみると、水位が大きく変動する様子が捉えられているほか、沖縄や宮城では川の逆流現象が起きている。高知県室戸市では80センチの潮位上昇で漁船が流され、小型船が4隻沈没するなど18隻が転覆する被害が起きている。

   いったい何が起きたのか。気象庁の地震津波監視課の束田進也課長は午前2時すぎの会見で「そもそもこの海面変動がどのようなメカニズムで発生したかということについてわからないことが多い」とコメントしているように、そもそも今回の潮位変動を津波と呼んで良いかどうかも不明。

   東北大学の今村文彦教授は「今回、噴火によって『空振』という気圧が急激に上がる現象が発生した」とみる。

   日本など遠く離れた地域で潮位が上がった現象は、気圧の変化で海面がゆさぶられることによって発生したもので、空振は距離が遠いほど潮位上昇が大きくなるが、通常の津波とは違って予測は難しい。今回は従来データがなかったことで、気象庁も対応できなかったのではないかという。

   橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「津波というのは地震で起きるものと思っているが、そうじゃなかった」

   今村教授「全地球的に影響を与える稀な現象。空振によって津波が日本にくるということは評価できなかった」

   司会の加藤浩次「今後は予測しやすくなりますか」 今村教授「今回の気圧データからある程度予測できるようになると思うが、噴火そのものの予測が困難。今後は火山灰が地球を覆うので作物に影響する。軽石や火山灰など数カ月から1年2年と長期的に影響がある。新たな噴火も考えられるので注意が必要」

   杉山愛(元プロテニスプレイヤー)「ひまわり映像みると衝撃的。(現地と)早く連絡が取れればいいが、世界が協力しあって助け合うことが必要なのかな」

   井上芳雄(俳優)「いろんな災害を目にしてきたが、それでもデータがないことが驚き。空振による影響を初めて知った」

(みっちゃん)

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