12日(2022年1月)に群馬・渋川市で起きたダンプカーの脱輪事故。現場の映像を見ると、外れたタイヤ2本が猛スピードで道路を走っている。これが通行人の男性を直撃し、男性は重傷を負った。実は近年、脱輪事故は急増しており、それらには「ある共通点」があるという。
14日の「めざまし8」では、過去に起きた脱輪事故のドライブレコーダー映像を2件紹介。1つ目は、2019年12月、長野県で起きた事故。大型トレーラーから外れたタイヤが乗用車に衝突した衝撃で、ミラーが吹き飛ばされた。もう1つは20年、北海道で、脱輪したタイヤがバスバスに激突した。このタイヤは対向車線を走っていたトレーラーから外れたもので、バスにぶつかりバウンドし目の前で止まった。この2つの脱輪事故では、外れたタイヤはともに「左後輪」だった。今回、渋川での事故も外れたタイヤは左後輪だった。
95%で「左後輪」
国交省によると、脱輪事故は2011年から右肩上がりに増え、10年間で10倍以上に急増し、一昨年は131件。その95%にあたる125件で、外れたタイヤは左後輪だった。
タイヤショップの社員は「左後輪の脱輪は多いので、私どもも左のリアタイヤは重点的に点検している。フロントタイヤの場合は運転席に近いので、揺れなどで気づきやすいが、後輪は気付きにくいということもあるのではないかと思っています」と話す。
国交省によると、比較的速い速度で曲がることが多い右折の際に遠心力がかかることや、ゆっくり左折するとき加わるねじれる力が、左リアタイヤが脱輪しやすい原因ではないかという。
スタジオには12日の渋川市での脱輪事故とほぼ同じサイズのタイヤを用意。警察によると、外れたタイヤは直径105センチ、幅24センチで、重さは約100キロになるという。交通事故鑑定人の中島博史氏によると、脱輪タイヤは時速約40キロで走っていたとみられる。
司会の谷原章介は「このサイズだと、僕でも受け止められないと思う」と驚きの表情。
そのタイヤとぶつかるとどれくらいの衝撃があるのか。国交省の人形を使った実験映像では、直撃したダミー人形は激突の瞬間、タイヤの丸みに沿うようにエビぞり、4メートル吹き飛ばされた。国交省によると、これが人間であれば、3カ所以上の肋骨骨折、脊髄損傷、頭がい骨骨折、大腿骨骨折となるという。
谷原は「実は2010年にタイヤ取り付けの規格が変わり、JIS規格だったものが国際規格のISO規格になりました。それが原因かどうかはわかりませんが、増加しているのは気がかりですね」と話した。
女優の遼河はるひは「怖いですね。後ろからこのサイズの大きがタイヤが来たら。運送業の方は点検をしているだろうけど、命につながることなので、ぜひもう一度点検していただきたいですね」とコメントした。
(バルバス)