8日夜(2022年1月)、東京都渋谷区の焼肉店に刃物を持った荒木秋冬容疑者(28)が立てこもる事件が発生したが、この時荒木容疑者は現場から日本テレビに電話をかけてきていた。現場でいったい何が起きていたのか。「スッキリ」では電話の肉声を伝えるとともに事件の背景に迫った。
事件現場は、JR代々木駅から歩いてすぐの焼肉店。午後6時半頃客として入ってきた荒木容疑者は焼肉と酒を飲食し、代金はおよそ6000円。しかし、その後荒木容疑者は女性店員に「爆弾を起動した。警察に連絡しろ。騒ぐな」と書いた紙ナプキンを渡す。店長が店の対応に不満があったか聞くと「黙って言うとおりにしろ」と脅迫。店長は警察に通報するとともに、店内の客およそ20人を逃した。逃げた客は、「(店側から)『こういうお客様がいらっしゃるのでご退店いただけますか?』と、走り書きのナプキンを見せられた」と当時の様子を証言する。
カメラマンと記者がくるよう要求「要求を飲め、以上」
立てこもり事件さなかの10時25分頃、荒木容疑者とみられる男から日本テレビに電話が入った。男は「荒木っていいます。荒いに木。住所、誰が人質かいうからメモして」と伝える。さらに「刃渡り20センチ超えの包丁を持っている犯人、犯人というか俺なんだけどね。肉包丁だね。で、爆弾所持」と爆弾の存在を匂わせる。
どういった爆弾?という質問には「起爆というか電源というか、とりあえず起動している状態なんですよね」と答えた。男はカメラマンと記者が来るよう要求。「人質を解放してほしい」いう記者に、男は「だったら要求を飲め、以上」と一方的に電話を切った。
午前0時過ぎ、捜査員が焼肉店に突入したが、このとき荒木容疑者は黒いニット帽にメガネ姿で手に刃渡り30センチの牛刀。携帯電話をテープで巻き付けた箱状のものを持ってポケットには果物ナイフが入っていた。この他、テーブルには箱状のものが2つ置いてあった。
荒木容疑者は店長に対し「最近あった電車内の事件みたいにしたかった」と語っている。
爆弾は警察をビビらせるために作ったという見せかけのもの、さらに捕まる前に焼肉を食べたかったという。
警察の調べに対し、荒木容疑者は「2週間ほど前に長崎から上京し、ホームレス生活をしていた。大きな事件をおこして死刑になればと思った。男性店長には申し訳ないと思っている。その場で射殺されればいいと思っていたが、撃たれることなく捕まってしまった」と語っているという。
杉山愛(元プロテニスプレイヤー)「生きる意味を見出さなかったというが、身勝手な行動。周りにも迷惑かけて何をしたかったんだろう。お怪我される方がいなくて良かった」
司会の加藤浩次「従業員の対応でお客さんを速やかに逃がすことができたことが大きなポイントだと思う」
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「自分一人だと寂しいから人を巻き込むという心理。自分が撃たれるなんて荒唐無稽で、模倣する人が出てくると困る」
(みっちゃん)