雉真るい(深津絵里)は、自分の身に起こったこれまでのことを大月錠一郎(オダギリジョー)に語り出した。ずっと自分の中に封印してきた母・安子(上白石萌音)との思い出、そして安子と決別することになった雨の日の出来事...。
しまい込んだ記憶を吐き出したことでるいの中で変化が起きた。過去と向き合い、前を向いて歩いていこうと決意したるいは、思い切って「On the Sunny Side of the Street」のレコードを買う。
るいが恐れたコト
しかしプレーヤーは高額すぎて手が出ない。せっかくレコードがあるのに...。気落ちしているるいを見た錠一郎は、るいをジャズ喫茶に連れて行く。
ルイ・アームストロングの歌声を通し、るいは幼い頃、安子と一緒に聴いた時のことをありありと思い出す。
そんなある日、東京の音楽プロダクション事務所が主催するジャズトランぺッターのコンテストが開かれるというニュースが入ってきた。関西ナンバー1のジャズトランぺッターを決めるという。
ミュージシャンのトミー(早乙女太一)は「メジャーデビューのためのチャンスだ」と大喜び。しかし錠一郎はコンテストには参加しないと言い出し、トミーが激怒する。
別の日。トミーはるい、錠一郎、そしてベリー(市川実日子)を海へのドライブに誘う。
実は、トミーはるいを気に入っていた。ベリーは錠一郎ひと筋なので、この2人がくっつけばちょうど良いと考えていた。しかし錠一郎がベリーに振り向く様子はない。ダブルデートはおかしな雰囲気になってくる。
それから数日後のこと。錠一郎はるいに自分の思いを告白する。でも、るいはその気持ちを素直に受け入れることができない。もし、額の傷を見られたら......。るいは、錠一郎の気持ちが離れてしまうことを恐れていたのだ。