昨年の12月31日、午後7時30分から11時45分まで生放送された「第72回NHK紅白歌合戦」を見ました。
東京国際フォーラムAをメイン会場として、NHK放送センターも使用されました。
司会陣は、紅組・白組の垣根を取り払い、俳優の大泉洋と川口春奈、NHK和久田麻由子アナの3人。セットは東京国際フォーラムがきれいな花を基調にし、NHK放送センターはポップなものでした。
内容は、ある面では、今の世の中を反映していました。ネットで人気のまふまふが「命に嫌われている。」を、文字を効果的に生かしたセットで歌い、これもネットで評判のYOASOBIが企画でミドリーズとNHKこども向けSDGs番組テーマソング「ツバメ」を歌いました。
雪の舞う清水の舞台で歌い上げた「いい日旅立ち」に感動
後半戦の幕開けは、昨年亡くなったすぎやまこういちさんを偲んでの特別企画。すぎやまさんが永年に渡って愛情を注いだ東京都交響楽団のフルオーケストラの生演奏で、東京オリンピック開会式の入場行進曲にもなった「ドラゴンクエスト」を演奏して、大変感動的でした。
松平健もお馴染みの「マツケンサンバ2」でCGに乗って登場し、会場を盛り上げました。
宮本浩次は、東京湾のクルーズ船に乗って、生中継で寒そうにしながらも「夜明けのうた」を歌い、司会の大泉洋と掛け合いをしました。宮本浩次の歌も独特で魅力的だったし、大泉洋も温かさのある司会で好感が持てました。
私が一番感動したのは水森かおりの「いい日旅立ち」です。NHKらしく制作費をかけて、水森かおりが日本全国の風光明媚な所を事前ロケした映像を流しながら、最後は京都の清水寺から生中継。雪の舞う清水の舞台で歌い上げたのです。
やはり、「テレビは生」が命であるし、今回の紅白歌合戦もまさに、「生の強みを生かしたテレビ番組」でした。
視聴率は、前半(19時30分―21時)は31.5%で後半(21時―23時45分)は34.3%(関東地区の世帯視聴率)で、良くはなかったですが、やはり、テレビの持っている宿命というか「ネット時代との連携」の過渡期だという気がしました。