きのう5日(2022年1月)の全国の新規感染者数は2638人。司会の谷原章介は6日、「沖縄県では1月6日にもまん延防止等重点措置の適用を申請する方針です。日本はどうするべきか、海外の専門家に取材しました」と切り出した。
5日には623人の新規感染者が確認された沖縄県の玉城デニー知事は、「オミクロン株の感染力が驚異的であることは政府の方もわかってくれている。まず『まん防』ですね」と話した。政府は要請があれば、7日にも専門家による分科会にはかるとして適用を決定する方針で調整している。また、5日に感染者数が100人を超えた広島県と山口県にもまん延防止適用の可否についても検討に入った。
米軍基地からの「しみ出し」
新規感染者数が前週の5倍を超える390人に増えた東京都の小池百合子知事は、6日にもモニタリング会議を開き対応を議論するとするが、5日夜段階では「まん延防止について要請は考えていない」と話した。新規感染者数244人の大阪府・吉村洋文知事は「第6波の入り口にいる」との認識を示した。
急拡大が最も懸念されるのが沖縄県。5日には623人の新規感染者が確認され、医療現場も大きな影響を受けている。沖縄県立北部病院では、感染者の多さに受け入れ準備が追い付かない状態だとしている。沖縄で感染が急増している理由について、玉城知事は「米軍からのしみ出しが拡大の大きな要因であることは間違いない。米軍の状況を日本に持ち込むなと何度も言っている。マスクをせずに基地の内外に出るなど行動が緩んでいたという点も、もうすこし厳しくするべきだった」と米軍を厳しく非難している。
実際、キャンプハンセン(金武町)の飲食店街ではシャッターを下ろしている店が並ぶ。社交飲食業組合長は「マスクもしないで来店する人もいるが、注意することはできない」と困惑している。コンビニエンスストア前ではマスクをしない米兵がたむろしていた。
アメリカでは1月3日に新規感染者数が100万人を超えたが、ロックダウンなどの強い規制は取られていない。年末のカウントダウンイベントも2年ぶりに実施された。
ニューヨーク大学医学部の多田卓哉・博士研究員は「米国は緩い規制のままだ」と話し、「重症化率が低いのでワクチンを打っていれば防げると考えている」と、ウイルスと共存できると米国では考えられていると話す。
橋下徹「米軍にマスク着用しろと言うべき」
米国同様にヨーロッパでも感染者数が急拡大している。英国では4日に新規感染者数が20万人を超え、フランスでも同じ日に27万人を超えた。
エディンバラ大学のリンダ・ボールド教授は「英国がクリスマス前にもっと厳しい政策をとっていたら今の状況にならなかった」と指摘し、「今から対策を行っても遅すぎる」とコメントした。
谷原はこれを聞いて「アメリカがロックダウンをしないのには驚きました」とコメント。
リモート出演した多田博士研究員は「市民はみな、ワクチン接種をすれば大丈夫と、ワクチンありきで話し、経済を回す方向で一致している」と語った。
果たして日本はどうするべきか。弁護士の橋下徹は「日本では専門家会議が機能していない。専門家の意見が政府に響いていないような気がする。行動制限の強化がどれくらいの効果があったか、検証もされていない。まん延防止でもマスクが義務化されないのはなぜか。経済を抑制する前に、ちゃんとするべきことをしてほしい」と指摘。
社会学者の古市憲寿は「まん延防止重点措置を言い訳のようにしている。3回目のワクチン接種、飲み薬の承認など、やるべきことはたくさんあるのに、行動制限や自粛ばかりで、政府はずるいという気がする」とコメント。
古市のコメントに橋下も「米軍にマスク着用しろと言うべき。マスクの義務化をしないで、まん延防止で言い訳している」と同調。
谷原は「コロナと普通の風邪の違いは、薬がまだ整っていないこと。ワクチンの対策もまだまだ。これまでの2年間の知見を生かさず、同じ対策を繰り返していいのか。国が出す指針の理由を説明していただきたいと思います」と話した。
(バルバス)