森友学園への国有地売却をめぐり安倍政権下で公文書改ざんを命じられたことを苦に自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻、雅子さんが起こした損害賠償裁判で、政府はきのう15日(2021年12月)、請求された1億1000万円の全額を支払うことを認めた。これで雅子さんが最も求めていた真相、自殺との因果関係は示されないまま、国に対する裁判は終わる。「悔しい」(雅子さん)、「極めて卑劣」(原告代理人弁護士)の言葉が問題点をつく。
「改ざん指示」佐川元局長への550万円の損賠訴訟は続く
政府(国)側はきのう、大阪地裁で非公開で行われた協議中に「いたずらに訴訟を長引かせるのは適切でない」と、これまでの態度から一転、請求に全面的に応じる「認諾」を打ち出した。
司会の安住紳一郎「これは極めて異例です。裁判としては、確定判決と同じ効果を持ちます」
相手(雅子さん側)は対抗できず、国に対する裁判はここまで。あとは当時改ざんを指示したとされる佐川元財務省理財局長にたいする550万円の損賠訴訟だけが続く。
雅子さんの代理人弁護士は「あまりに不意打ち、だましうち、不誠実」と反発。雅子さんは「頭の中が真っ白でなんと答えていいかわからないけど、ふざけるなと思いました。お金で済む問題ではない」「夫がなぜ死ななければいけなかったかを知りたい。惨敗した気持ちです」と話した。
安住「(国のやり方は)真相究明を封じるためという批判も出ています」
誰が考えたのか、真相を闇に隠す、実に巧妙な仕掛けだったのかもしれない。実際、これで終わりでいいはずがない。
(あっちゃん)