ツイッターの匿名アカウント「Dappi」の「ウソ投稿」で名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の参院議員2人が、損害賠償を求めWeb関連会社を提訴した。Dappiとは何者か?13日(2021年12月)の「モーニングショー」が探った。
立憲民主の2参院議員が提訴
「野党がギャーギャー」「屑(くず)中の屑」。Dappiには野党議員を激しく攻撃する書き込みがある。昨年10月には、森友学園問題に関連して、公文書の改ざんを命じられ自殺した近畿財務局の職員に関連して、「近財職員は杉尾秀哉や小西洋之が1時間吊るしあげた翌日に自殺」との投稿を載せた。
立憲民主党の小西議員は、提訴に関連して「名誉、人格をおとしめる」、杉尾議員は、「まったく事実に反する。こういう書き込みがあって、深刻な人権侵害が起きていて、我々だけの問題じゃないことを多くの国民の皆様に知っていただきたい」。小西議員はさらに、「集団で組織的にやっていた違法行為ではないかと思う」。「私たち野党議員の質問を、まったく違う内容に意図的に作り変えて、それに巧みな言葉や動画を張り付けて、名誉人格をおとしめる」。杉尾議員も「こうしたフェイクニュースがネット空間で横行している。これに対して、きちっと警鐘を鳴らさなければならない」。
このWeb関連会社は、自民党から年間80万円の業務を受注していた。同党の東京支部連合会は、「講演の文字起こしを依頼している。Dappiの存在は報道で初めて知った」。同社は、2001年に創業、従業員は17人。
Dappiのツイッターには、「日本が大好きです。偏向報道するマスコミは嫌いです。国会中継を見てます」。17万人以上のフォロワーがいる。「立憲共産党はいつもそう。批判ばかりで建設的議論をする気ない」「左派マスコミの印象操作が悪影響を与えたケースは枚挙に暇がない」。野党やマスコミを批判・中傷した記事やコメントを紹介する投稿が目立つ。野党幹部を名指しして「屑中の屑」と非難する一方で、政府与党に対しては、「よくぞ国会で言った」「まさに国民のために働いた総理」などと賛美する投稿が多い。
東大の鳥海不二夫教授によると、Dappiでは、「おおむね月曜日から金曜日に多くの投稿がされ、時間帯も朝9時から午後7時までが多い。通常のツイッターは夜7時以降が多い」。
原告側は、今後の口頭弁論でWeb関連会社側の出廷を求める方針で、場合によっては「刑事犯罪として法的措置」をとることも考えるという。
(栄)