現金なのか、クーポンなのか。18歳以下の子どもに10万円を給付する政府の方針が混乱している。きょう9日(2021年12月)の「モーニングショー」は、この問題や国会議員の文書通信交通滞在費の問題をパネルを使って解説した。
政府は新型コロナ対策として5万円を現金で、景気対策および子育て支援としてクーポン5万円分を給付する方針だったが、自治体からは「手間がかかる」と反発の声が上がり、全額を現金で給付する方針を打ち出したところもある。スタジオでは、自治体の反応やクーポンの印刷など事務費として967億円がかかる問題を取り上げ、「なぜクーポンなのか」について、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏や経済評論家の加谷珪一氏を交えて議論した。
田﨑史郎「話しておきます」
また、国会議員に月額100万円が支給される文通費について、田﨑氏は「『いちいち領収書つけたら大変』という本音は、自民党だけでなく野党の議員も同じこと。文通費は実質的に第二の給料として配られているものなので、『触ってほしくない』というのが本音です。違うのは100万円を共同管理している共産党だけ」と解説。
コメンテーターの石山アンジュ(「パブリックミーツイノベーション」代表)は「作業が大変なんて、理由にならない。民間企業や個人事業主はみんなやっていることです」と反論し、玉川徹(テレビ朝日社員)も「これは経費なんだから、日割りじゃなくてもいい。それよりも領収書をつけて公開し、余った分を返す。それが政治が信頼を取り戻す大前提です」とコメントしていた。
スタジオが盛り上がったのは、視聴者から寄せられた質問に田﨑氏が回答するコーナーだ。「一度に現金で給付すれば、280億円も節約できますよね。なぜそうしないのですか」という質問に対し、田﨑氏は「クーポンにすれば(行き渡るまでに)時間がかかり、来年の3月か4月になる。財務省が自民党の案に乗ったのは、来年7月の参院選前に『もう一回、金出してくれ』と言われるのを避けられる、というのがあったから」と「裏の話」を明かした。
これには、石山が思わず「今までやってきた議論が全部ひっくり返るじゃないですか」とつぶやき、羽鳥も「そういうことですか。なんだろう、一番納得してしまった」と苦笑していた。
「政府がクーポンにこだわるのであれば、国会議員に支給される文通費をクーポンにしたら?」という視聴者のコメントには、「話しておきます」と田﨑氏。「田﨑さんが話しておくということは、(政権幹部に)伝わります」と羽鳥がコーナーを締めた。
(キャンディ)