岸田「賃上げ」税制で本当に上がる? めざまし8が伝えた不都合な現実

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   「岸田総理が表明した給料アップ。これについて具体的な政策が明らかになってきました。では、実際に企業はこれに応じるのでしょうか?本音を取材しました」とMCの谷原章介。8日(2021年12月)は、2022年度の税制改革で焦点になっている従業員の賃上げについて伝えた。

   政府与党は、法人税から差し引く控除率について大企業に対して最大30%(現行は最大20%)、中小企業に対しては最大40%(現行は最大25%)に引き上げる方向で調整している。いずれも従業員の給与アップや社員教育の充実が条件だ。

  • 岸田首相
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法人税を払っていない中小企業には...

   しかし専門家からは、実際にどこまで賃上げが行われるのか疑問の声も上がっている。明治安田総合研究所・フェローチーフエコノミストの小玉祐一さんは「世の中の99.7%は中小企業で、その6割以上は(赤字のため)法人税を払っていないので、税金をまけてあげると言われてもメリットはないわけです」と指摘する。

   では大企業は?

   「実際、直近の上場企業の決算を見てみると、過去最高利益というところもある。政府としては、そういう企業の中に一部、従業員への還元が不十分なところがあると思っている。効果があるとしたら、これまでにすでに2%なり3%なり賃金を上げてきた企業。あとちょっと上げればこの制度に引っかかって税金を優遇してもらえるというところでは賃金を上げるかもしれません。収益は上げているのに、意図的に賃金に還元しないようなブラック企業は政府が何を言っても無視すると思います」(小玉さん)

   「めざまし8」は複数の業界の大企業のホンネを聞いた。結果は...。

   「制度がないよりはあった方がいいが、実際に賃金上昇につながるかは難しい」(大手自動車メーカー)、「きついのではないかというのが正直なところ。そもそも業績が上がらないし賃上げは難しい」(大手電機メーカー)、「どこもかつかつに経費を削ってコロナを乗り越えている状況。原油価格高騰などでかなり厳しい」(大手食品メーカー)。

   谷原「日本には安いことが美徳みたいな感覚がある。それをなんとかしないと変わらないような気がします」

   小玉さん「そうなんです。良いものを安く売るというのは日本の良いところでもあるのですが、一方で企業収益も上がらずGDPも成長しないので、従業員に賃金として配るためのパイが十分に確保できないということですから。ただこれは長年の不況で染みついた感情ですから、変えるのはなかなか難しい」

   谷原「確かに染みついてる。変えないとね...」

(ピノコ)

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