<「今夜も生でさだまさし カムカム岡山エヴリナイト!」(NHK総合)> 今回(11月27日、2021年)は、タイトルでわかるように、朝ドラ「カムカムエヴリディ」の舞台・岡山の放送局からの生放送だった。
心配だったのは前日、前々日に開催されるはずだった「さだまさしのコンサートツアー2021」の大阪公演が延期されたこと。さだまさし大丈夫かと思ったが、元気そうでなにより。
「秋の花粉症のせい」で...
ご本人曰く、「秋の花粉症のせい」で「大事なパートの声が出にくい」と。日常生活には問題がないが、今回は大事をとり、手紙の代読は小野文恵アナが務め、さだの喉を休める作戦......といいつつ、結局は喋ってしまうところが、いかにもさだらしい。
朋友のサックス奏者・平原まこと(平原綾香の父)が亡くなったことにも触れ、同い年で同じ長崎出身、「俺は先にいくがあとを頼む、と、バトンを渡されたような気がする」と。
この日はさだが朝ドラ「カムカム~」で演じる、「カムカム英語」の平川唯一講師のご子息・平川洌氏も登場し、ちょっとした平川唯一入門コーナーも。当時の平川さんの人気は凄まじく、50万通ものファンレターが届いたというから凄い。NHK岡山では姫野美南アナ&松本真季アナが「カムカムツインズ」として、番組の宣伝役をつとめ、ツイッターで、ドラマや地元のことを発信しているとか。さすがNHK、地方局も番組宣伝には余念がない。
そして、さだの代わりに歌うゲストも登場。予想はしていたが、泉谷しげるだった。「こんな時間に呼ぶなよ~」「恩を売りに来た」と泉谷が言えば、さだも「来てくれるかもしれないと聞いた時、よりによって泉谷~?」と思ったと軽口を叩く。
2人の出会いは雲仙普賢岳のチャリティーコンサートで、泉谷が声掛けしてくれて、吉田拓郎や小田和正、井上陽水、忌野清志郎(故人)らが集まったと。「やらないよりはやる偽善」(泉谷)、「何もしない善人よりも何かをやる悪人のほうが役立つ」(さだ)という言葉が深い。
泉谷は「さだ、年とったら高い声、出なくなるの。これはしょうがない。だから低い声で歌えよ。喋ってんのが1番ダメなんだからな。お前、コンサートで喋り過ぎなんだよ、歌え」とアドバイス。「まさか本気で来るとは」(さだ)、「恩着せがましくするなら今しかないなと」(泉谷)。おっさん同士の熱い友情がじんわり沁みる寒い夜でした。
(大熊猫)