18歳以下の子どものいる世帯への10万円相当給付で、5万円のクーポン券配布経費が967億円もかかることについて、2日(2021年12日)の「スッキリ」は「なぜそんなに高い?」と取り上げた。「スッキリ」は内閣官房に967億円の内訳を問い合わせたが、放送時点で回答はなかったという。そこで、立憲民主党の後藤祐一衆院議員の試算を紹介した。
それによると、現金給付でも「振り込み手数料」「コールセンター業務委託費」「人件費」「郵送料」など経費は280億円かかるが、クーポン券配布はさらに「クーポン券印刷費」「クーポン券郵送費」「(クーポン券扱い)事業者への換金・振り込み」「事業者への広報費」など、受給者への振り込み手数料はなくなるが、690億円近く余計にかかる。
浮いた金を貯蓄に回すと...
10万円給付を先の総選挙の公約とした公明党の山口那津男代表は、「一定の経費がかさむのはやむを得ない」と説明するが、番組が紹介する街の声は「その分を困っている人に配るべき」(50代女性)、「経費少なくして利益を大きくしたほうがいいんじゃないですか」(30代女性)と納得していない。
クーポン券にしたのは、全額現金にすると貯蓄に回ってしまうためというのが政府の説明だが、これについて、森圭介アナが「3人の専門家に聞きました」。まず、慶応大経済学部の小林敬一郎教授は「クーポン券で使ってもらっても、浮いた金を貯蓄に回すので同じこと。消費はそんなに増えない」という。
インターネットのニュース解説メディア「The HEADLINE」の石田健・編集長は「1年だけ使えるポイント給付という方法もある」、政策アナリストの石川和男さんは「電子マネーにすれば、300~400億円の経費が削れる」とアイデアを出す。いずれにしても、クーポン券配布は愚策というわけだ。
木曜コメンテーターの坂口孝則(経営コンサルタント)「5万円のクーポン券を配るのに、一人当たり4000~5000円の経費が掛かるということですよね。これは、業務が下請け、その下請けで膨らんでいるからだと思います。まず、ここが問題ですが、そもそも貯蓄に回すことの何が悪いんでしょうか。困っている方が、近い将来に備えて貯蓄に回すのは当然ですよ。いつか使うわけで、困窮者支援ならば現金がいいと思います」
みちょぱ・池田美優(タレント)も「本当に困っている人は使うと思う」と言う。「クーポン券は迅速さにも欠け、悪手です」(坂口)ということだから、仕切り直しにしたらどうか。
(カズキ)