日大理事長逮捕の「その後」 高橋真麻「新体制になって欲しいと思っても...」

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   東京地検特捜部はきのう29日(2021年11月)、日本大学の田中英寿理事長(74)を約5300万円の脱税容疑で逮捕した。捜査関係者によると、自宅の家宅捜査では1億円以上の現金が見つかっているという。日大をめぐる疑惑では板橋病院建て替えに関して元理事で田中理事長側近の井ノ口忠男被告(64)と医療法人錦秀会前理事長・籔本雅巳被告(61)らも背任の疑いで逮捕・起訴されている。

   30日の「スッキリ」は、理事長の逮捕に学生たちから「こんな大学選んでちょっと悲しくなった」「いつか(逮捕される)とは思っていたが、今日とは思わなかった」などの声があがっていることを伝えた。

   大学ジャーナリストの石渡嶺司さんは「まずは驚いた。(田中理事長は)数々のスキャンダルを『だんまり作戦』で逃げ切りに成功してきた」と語る。

  • 日本大学のサイトより
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ロバート・キャンベル「学生、研究者にとても大きな損失」

   2018年の日大アメフト部による悪質タックル問題では、田中理事長は雨でもないのに傘を広げて取材陣をシャットアウトし、大学トップでありながら問題に対して表に立つことはなかった。今回の板橋病院疑惑でも取材に無言を貫き、大学内の会議では「検察は俺を捕まえる手がないんじゃないか。井ノ口、籔本は捕まったけど、俺は逮捕されることはない」と話していたという。

   13年の長きにわたり日大のトップに君臨していた田中理事長だが、いったいどんな人物で、いかにして権力を掌握したのか。石渡さんは「ドン田中の一強体制が13年続いてきた。少しでも意向に反することを言えば左遷される恐怖政治で、怖くてものが言えない」という。

   相撲部の学生横綱だった田中理事長は、当初大学職員になり相撲部の監督も務めていた。権力闘争が好きで、総長選挙では選挙参謀として活躍。総長ポストは現在廃止されているが、当時は日大の実質的トップで、田中理事長が応援した候補が2度、3度と総長に就くたびに、見返りとしてポストがあがっていき、仕上げが2008年の自身の理事長就任だった。その後は体育会系出身者が強い日大で体育会系を束ね、周囲にはイエスマンしか置かず、田中王国には権限が集中していった。

   石渡さんは「日大学生が一番の被害者。これまでは自分の大学に誇りを持てていたが、今後は『パワハラ体質』『脱税やらかした』といわれ続ける」と語る。

   逮捕に関して日大は「遺憾」とコメント。田中理事長は「金を受け取っていないから脱税もしていない」と容疑を否認している。今後、仮に別の容疑が明らかになり、有罪になると実刑の可能性もあるが、現状では執行猶予がつく可能性が高いという。

   司会の加藤浩次「日大の体制がどれだけ田中理事長を中心に行われていたか。不透明なお金の動きがあったのか」

   高橋真麻(フリーアナウンサー)「新体制になって欲しいと思っても田中派閥の方が残っている」

   石田健(起業家)「しっかり全容解明してほしい。私立大学は税金をもとに補助金が出ているので一大学の問題ではない。会社はコーポレートガバナンスが行なわれているが、大学はしっかり行われていない。日本の科学技術の今後は、下支えをする大学がいかに健全に運営されるかにかかっている」

   ロバート・キャンベル(日本文学研究者)「学生、研究者にとても大きな損失。能力に関わらず『この人に仕えれば昇進』というのは悪い統治方法。13年間理事長に選出されるというのは国公立ではありえない。文科省のガバナンスも検証しなければいけない」

(みっちゃん)

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