中国のテニス選手、彭帥(ほうすい)さんに世界の注目が集まっている。
中国共産党最高幹部に性的関係を強要されたとSNSで告白した直後に行方不明になった。と思ったら、彭帥選手が自身で記したとされる「元気でいる」とのメールや、はては笑顔で写っている動画までが流された。今回の動画は政府系メディアが投稿し、本人たちがわざわざ日にちを強調している不自然さからみても、すべて共産党の監視下にありますよと、明かしているようなものだ。
映像に登場のレストランに電話取材すると...
「ありえないでしょ」とあきれる日本の視聴者の関心を、「ワイドショー」は見逃さない。飛び交う真偽不明の情報を、中国通の識者を呼んで、上層部の権力闘争がからんでいるようだ、などと深掘りしている。
(J-CAST)テレビウォッチ・ワイドショー通信簿が取り上げた「中国『不明』女子テニス選手ナゾの映像 安住アナ『世界は注視する必要が』」(2021年11月22日、TBS系「THE TIME,」)では、拓殖大学の富坂聰教授が「中国国内では全く報じられていない。中国人が見ることができないツイッターで発信することで、海外の火消しを図っている」と解説した。
また、「彭帥選手の不自然動画 橋本五郎『背後に中国政府の意向が...』」(22日、日テレ系「スッキリ」)では、映像が映されたレストランに番組が取材を試みたが、電話を切られたと伝えていた。電話を切られたことだけでニュースになる、この辺がワイドショーの面白いところだ。
冬季北京五輪を前に鎮静化を図る中国に、なんとIOCのバッハ会長が協力しているとあって、世界中から大ブーイングを浴びている。米国やイギリスは人権問題を含め中国のやり方に反発、北京五輪に政府関係者が出席しない「外交ボイコット」の検討を始めた。「中国の報道官、記者に逆ギレ? 彭帥さん安否で羽鳥慎一『外交問題に...』」(25日、テレビ朝日系「モーニングショー」)は、ロイター通信の記者の質問に報道官が「政治問題にしないでほしい」と突っぱねたことを紹介、石山アンジュ(社団法人代表)さんも「日本も外交ボイコットを検討するべきです」と厳しく注文を付けた。
(ムギ)