綾野剛が魅せる「アバランチ」、結末の予測がつかない面白さ

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   この10月期の各局の連ドラは、見応えのあるものが多いです。

   10月18日、月曜の午後10時枠で始まった、関テレ制作・フジテレビ系列の「アバランチ」もその1つです。

   警視庁捜査1課から左遷され、地下室にある「特別犯罪対策企画室」に異動させられた西城英輔(福士蒼汰)は、配属早々、室長・山守美智代(木村佳乃)から、何の説明もなしに運転を命じられ、ある場所へ向かいます。たどり着いた先で待っていたのは、常識外れのアウトロー集団「アバランチ」のメンバーでした。

   「アバランチ」という言葉の意味は「雪崩」という意味です。

   「アバランチ」のメンバーは羽生誠一(綾野剛)。本作の主人公で、元警視庁公安部外事3課。3年前、とある事件で、仲間達5人が全員殉職し、唯一生き残り、失意の内に警察を辞めたが、山守(木村佳乃)に声をかけられ、アバランチのメンバーになります。そのほかのメンバーは、ハッカーの牧原大志(千葉雄大)、元警視庁爆弾処理班の打本鉄治(田中要次)、明石リナ(高橋メアリージュン)は元自衛隊・特殊工作部隊のレンジャーです。

   西城(福士蒼汰)は、アバランチのメンバーのやり方に疑問を持っていますが、そのうちに認めるようになって来ます。

  • 関西テレビの「アバランチ」番組サイト掲載動画より
    関西テレビの「アバランチ」番組サイト掲載動画より
  • 関西テレビの「アバランチ」番組サイト掲載動画より

「アバランチ」の真の意味は?

   第1話では、六車泰次郎(板尾創路)という経済界の重鎮が、自分のダメ息子(磯村勇斗)を犠牲にして、犯罪を乗り切ろうとしますが、アバランチのメンバーによって阻止されます。このダメ息子(磯村)も、存在感がありました。

   主人公、羽生(綾野剛)の、ニヒルだけど温かい演技やアクションが魅力です。西城(福士蒼汰)がアバランチのメンバーを馬鹿にしていたのですが、次第にアバランチの力を認めて来る過程にリアリティを感じます。

   この作品はオリジナルで、あり得ない設定になっていますが、多少の誇張を含めて、わかりやすい表現になっています。

   今までにないドラマの展開なのですが、出演者全員が役に「成りきっている」こともあり、納得できるのです。

   見ていて、今後の展開に興味津々で、次の放送が待ち遠しくなります。ネットでも話題になっている「アバランチ」の真の意味も、次第にわかってくるのでしょうか。

   演じる俳優陣も脚本を見るまで何もわからず、緊張感の強い現場のようです。ラストシーンがどうなるか、アバランチのメンバーはどうなるのか、予測がつかないところもこのドラマの特異性かもしれません。

渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。
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