今、新しい飲食業のスタイル「間借りレストラン」が増加している。飲食店が稼働していない時間に別の人が間借り営業をするスタイルで、夜は居酒屋、昼は間借りレストランという形態が多い。
バーを間借りし「(月曜)昼限定」
2019年にオープンした間借りカレー店「極哩」は現在3店舗(高田馬場店、浜松町店、新橋内幸町店)に拡大。同年、世田谷で居酒屋を間借りし始まったハンバーガー店「マンドリンハンバーガーキッチン」は、1年で千葉に実店舗をオープンさせるほど成長した。
そんななか26日(2021年11月)放送のスッキリでは、横浜の飲み屋街、野毛で間借りレストラン「ハワイアンココ」をオープンさせる堀江公平さんに密着した。間借り先はクラフトビールとコーヒーが売りのバー「サラダタップス」で、ハワイアンココはメニューをエッグベネディクトに絞り、月曜昼間限定でオープンする。間借り料は、光熱費込みで月3万円。通常、飲食店開業費は物件の契約、内装工事、厨房機材、食器などで平均989万円ほどかかるのに対し、同店の初期投資は10万円ほどだった。
店主の堀江さんは、間借り店のマッチングサービスを利用してこの店を見つけた。現在、間借り店のマッチングサービスは、「シェアレストラン」、「スペースマーケット」、「magari」など複数ある。間貸ししたい飲食店オーナーと間借りしたい開業希望者をつなぐ役割を果たしている。
コロナ禍になり、間借りをしたい「シェアレストラン」開業希望者が増えており、たとえば緊急事態宣言中営業職を失った女性が一念発起して居酒屋を間借りし、サラダ専門店「mikata」(中目黒)を、また、休業中のすし店の女将がバーを間借りし、ウニめし店「恵比寿南オカミハウス」(恵比寿)をオープンさせて人気店になっている。
杉山愛「行ってみたい」
間借りレストランにも行列店がある。東京・銀座の路地裏にある、夜は炭火焼を楽しめる割烹「ろばた(呂者堂)」で、月~木曜昼に営業している、おむすび専門の間借りレストラン「美味むすびuma」はその1つ。1日30食限定のランチセット「おむすび×2のおかず」(炭火焼の魚、カレー)が人気。もともと財務省の地方局に勤めていた女性2人が、一念発起して財務省を退職して今年5月にオープンさせた。最初は客足も少なかったが、フォロワーの多い客がSNSで拡散したことで、行列店に成長したという。
また、星つきレストランで修行した若き料理人は、東京・下北沢で間借りレストランを開いている。これまで2度、フランスで修行してきたが、コロナの影響でフランスへ行けず、間借りレストランを始めることにした。借りたのはカフェ&バー「DUKE SALOON」で、月~水の昼間のみの営業だ。激戦地で目立つため、ドリアのみのメニューで勝負する「ドリア屋・松栄」をオープンさせ、奮闘している。
さて、冒頭で紹介した「ハワイアンココ」は1日の来店者10人を目標にして11月にオープンしたが、初日の来店者は1人だけだった。
元プロテニスプレーヤーの杉山愛は「行ってみたい。マッチングサービスがあるとは知らなかった。ウィンウィンになって、いいですね」とコメント。
司会の加藤浩次は「チャレンジできるのはいいこと。諦めずに何回でも頑張ってほしい」と話した。
(バルバス)