中3刺殺事件めぐる「トラブル」報道 橋下徹「保護者から聞いた話だけ」と「憶測」警戒

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   愛知・弥富市の中学校で男子生徒が同級生に刺されて死亡した事件を、きょう25日(2021年11月)の「めざまし8」は約40分間かけて伝えた。MCの谷原章介は番組冒頭、「事件の背後にはLINEをめぐるトラブルがあったかもしれないという話が聞こえてきました」と切り出した。

   事件が起きたのはきのう24日朝。登校後しばらくして、中学3年の男子生徒が隣のクラスの男子生徒に廊下に呼び出され、刃渡り約20センチの包丁で腹を刺され、その後死亡した。刺した男子生徒は愛知県警蟹江署に殺人未遂の現行犯で逮捕された。包丁は学校にあったものではなく、加害生徒が持ち込んだとみられている。調べに対し、「私がやったことに間違いありません」と容疑を認めているという。

  • 同級生の間で何が?(写真はイメージ)
    同級生の間で何が?(写真はイメージ)
  • 同級生の間で何が?(写真はイメージ)

「正確に伝える必要があると思います」

   2人は2年生の時には同じクラスで、出身小学校も同じだったが、3年生では別のクラスになり、部活動も別々だった。記者会見した中学校の校長や教育委員会は「取り立てて仲がいいとか仲が悪いというのは把握していない」「これまで2人の間で何かトラブルがあったかは分かっていない」と説明し、加害生徒については「特におかしなところがあるということはない。なんでそんなことやったのかなというところが私たちもよく分からなくて非常に混乱している」と困惑していた。

   番組ではきのう現地で取材した近所の人や保護者らの話を、顔や声が分からないようにして流したが、「独自取材」とうたったLINEトラブルについては、「『めざまし8』が取材した保護者によると、LINEをめぐるトラブルがあったという声が子どもたちから上がっているというのです」とナレーションで伝えただけだった。

   生中継で蟹江署前からリポートした広瀬修一キャスターは「VTRではLINEに関する話もありましたが、供述の中にはまだ動機は明らかにされていません。周辺の取材をしましたが、トラブルを実際に見たという話は聞かれませんでした」と話した。

   これを受けて、「LINEが原因かはわかりませんが、親から見て子ども同士のSNSのコミュニケーションは見えづらいですよね」と谷原からコメントを振られた元大阪府知事の橋下徹氏は、「LINEをめぐるトラブルは保護者から聞いた話だけなんだという形で正確に伝える必要があると思います。こういう事件の時はいろんな憶測を呼び、被害者側に非があるような話になりかねません」とピシャリ。

   そのうえで、「ネット社会になって、子どもの友だち関係は見えない部分をすごく感じます。うちは7人子どもがいて、家庭内に(ネットの)ルールはあるが、中学生の子は見えないコミュニケーションがすごくあるので、妻が把握しようと毎日努力しています」とコメントした。

   番組内では、LINEトラブルをめぐる話はこれ以上深まらず、どうやらごく限られた保護者が話していたことで、周辺取材や警察の取材ではそれ以上の確証がとれなかったネタのようだ。昨晩から番組HPで「LINEトラブルか」と予告したり、画面上に目立つ色で「独自取材 『LINEトラブル』か?」といったテロップを流し続けたりしたのは、橋下氏が指摘した通り、やりすぎだったのではないか。

(キャンディ)

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