10月に投開票が行われた衆院選で、岸田文雄総理が応援に駆け付けた街頭演説をめぐり、公職選挙法違反の疑いがあったとして、11月18日に市民団体が刑事告発した。告発されたのは、衆院選で2度目の当選を果たした自民党の国光文乃議員。刑事告発のきっかけとなったのは10月26日に茨城・つくば市で行った街頭演説。ここに岸田総理も応援に駆け付けたが、茨城県トラック協会が関連する茨城県運輸政策研究会が日当5000円で演説に参加するよう呼びかけたという。同研究会では計34人を参加させ、交通費として日当を支払ったことを認めている。
弁護士「検察が動くためのハードル高い」
一方、告発状を提出した市民団体は、この行為を当選させるために国光議員が研究会に働きかけて行った買収行為だと主張。しかし、国光議員は関与した事実はないと話し、事務所では虚偽告発罪での告訴も検討しているという。
日本大学大学院の岩井奉信講師は「サクラという形で団体の人たちが動員されるということは与党野党も一般的にみられる傾向だが、選挙はボランティアが大前提で望ましくない」とコメント。国光議員や事務所が研究会に日当を支払い、動員するようお願いをしていた場合、日当を支払った研究会が動員以外に投票をお願いしていた場合は公職選挙法違反に当たる可能性があるとした。
東京地検特捜部は今後、告発を受理するか慎重に検討するとみられる。
菊地幸夫弁護士は「岩井氏の指摘通り、投票をお願いして金品を渡していれば問題だが、単に参加してくれでは検察が動くためのハードルは高い。だが、公選法の趣旨としては望ましいとは言えない」とコメント。
司会の加藤浩次は「与野党ともにやっているというのはねぇ」と呆れ、つぶやくようにコメントした。
(バルバス)