今回も、この10月期の連続ドラマの中から面白いと思ったものを紹介します。
このクール(10月~12月)は、出来の良い作品が多いです。
10月6日、水曜日の午後10時から、日本テレビで始まった「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」も興味深い作品です。
主人公の赤座ユキコ(杉咲花)は、盲学校高等部3年生で、「光と色がうっすらわかる」「ルーペを使えば大きい字を認識できる」程度の弱視です。小さい頃に母を病で亡くし、父と姉との3人暮らしです。ユキコ(杉咲)は、ひょんなことからヤンキーの黒川森生(杉野遥亮)と出会い、次第に、彼の真っ直ぐさに惹かれるようになります。
ヤンキーの黒川(杉野)は、顔にケンカでつけた傷があり、短気で攻撃的な性格ですが、根は純粋な男です。ユキコ(杉咲)と出会い、あっという間に恋に落ちます。
ワルだけど純粋な黒川と、勝気で明るいユキコの恋の行方に目が離せない
出会った時のことですが、ユキコは、いつものように白杖をついて、学校へと急いでいました。朝からツイてないこと続きで、時間は遅刻寸前。そんな日に限って、点字ブロックの上で話し込む男たちに遭遇してしまうのです。
どいて欲しいと頼むユキコですが、相手は有名な札付きのヤンキーの黒川とその仲間でした。白杖を掴まれて、反射的に蹴り上げたユキコの足が、偶然にも黒川の股間にヒットしてしまいます。悶え苦しむ黒川を心配し、顔をよく見ようと覗き込むユキコ。その瞬間、ユキコの顔の近さに驚いた黒川は、恥ずかしさから思わずフリーズしてしまいます。黒川の中で「何か」が始まります。
原作はうおやま氏による漫画です。余りない設定ですが、リアリティを持って見ることができます。白杖ガールのユキコがとても明るくて、勝気なのです。ヤンキーの黒川も、世間を拗ねたワルにも見えますが、根は本当に純粋です。
ぶつかりながらも少しずつお互いを理解し、その距離を縮めていくユキコ(杉咲)とヤンキー(杉野)の2人が、役になりきって上手いのです。視聴者はぐいぐい引き付けられてしまいます。そして、見ていて、本当に心が温かくなってくるドラマです。
2人の恋が本当に成就するのか、最終回まで目が離せない作品です。
地上波では、音声によるガイドがついた解説放送も実施され、視覚に障がいのある方も楽しめる配慮がされています。