きょう11月11日(2021年)は中国では「1」が4つ並ぶことから「独身の日」と呼ばれ、独身者が自分へのご褒美の買い物をする日。中国最大のネット通販セールが開始される。その「独身の日に異変が起きています」と、司会の羽鳥慎一がこの日の放送で隠れた実態に触れた。
1990年代から始まった恒例イベントだが、去年は13兆円の買い物があったといい、このうち最高に売り上げた通販大手「アリババ」は過去最高額の8兆8000億円に達した。今年は9兆8000億円を予想している。
「ただのセールスプロモーションではない」との指摘も
販売サイトには中国で「網紅」(ワンホン)と呼ばれる強力インフルエンサーが登場して売りまくる。日本やヨーロッパ製の化粧品などにまじって、今年は突然、アフガニスタンの食用「松の実」が出品され、12万セットが2時間で売り切れた。テレビ朝日中国総局長の千々岩森生記者は「友好演出の政治的思惑もあるのではないか。ただのセールスプロモーションではない」と指摘する。
羽鳥「そういう意図があるのか。怖いなあ」
玉川徹(テレビ朝日)「政府はあらゆる手を使って人民をコントロールする方法を常に考えている。プロパガンダ(特定の思想に誘導する宣伝戦略)と思わせないプロパガンダの研究をやっている」
「アリババ」は過去に創業者が政府を批判し、そのために関連会社が上場廃止されるといった圧力がかかり、政府寄りに舵を切ったともいわれる。
千々岩記者は「独身の日は爆売り爆買いイベントだが、そこに政府の意向が入ってくる。企業が言われたのか忖度したのかはわからないにせよ、そういう色に染められたのが今回の全体像という感じです」と解説した。
香港やウイグルに対する強硬姿勢や弾圧だけでなく、こうした隠れた情報操作や締め付けとは、恐ろしい大国があったものだ、それも日本の近くに。
(あっちゃん)