第49回衆院選特番――制作の大変さに思いをはせながら各局の良いところを見た

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   10月31日に投開票された、「第49回衆院選」の各局特番を見て気が付いたことを、述べたいと思います。

   自民党と、公明党とを合わせた与党が勝利し、自民党だけでも、国会を安定的に運営できる、絶対安定多数の議席を確保しました。

   選挙特番というと、私も日本テレビのニュース編集部長(ニュースの制作の責任者)と、報道局長をやっていたからわかりますが、大変でした。何か月も前に、選挙対策本部を作り、出口調査、各候補者の品定め、ネット局との連絡等々、やるべきことが山のようにあります。特に、気を使ったのは、当日の選挙終了時にいち早く出す出口調査の結果と、候補者の当落情報です。他局より遅れたくはないし、正確な情報を伝えるのに苦労しました。

  • 衆院選の開票速報を各局はどう伝えたか
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優れていたのはNHKだが、桜井翔や太田光のインタビューが良かった

   今回の特番、番組制作の出来として全体的に優れていたのは、やはりNHKでした。絵作りは上手いし、機動的でした。制作費がかけてあって、CG等もきれいでした。それに、シンプルでわかりやすかったです。

   日本テレビは、有働さんと嵐の桜井翔君が司会をして、河野太郎自民党広報本部長に桜井君が、インタビューしている所を見たのですが立派でした。桜井君は、気負いもせずに、淡々と河野広報本部長に質問をして、河野本部長も淡々とそれに答えていました。

   TBSは、爆笑問題の太田光さんがと小川彩佳さんが総合司会。太田さんが小選挙区で敗色濃厚だった立憲民主党の中村喜四郎さんにインタビューしていましたが、面白かったです。太田さんが率直に、「自民党に戻る気はないのか」と聞くと、中村さんは「今の自民党では、自分の良さが生かせない」と答えていました。 テレビ東京では、池上彰さんが、参院議員の片山さつきさんと激論を戦わせていました。片山さんも論客ですが、今後の日本の政治のあり方を、池上さんが独自の切り口で論じていたのが印象的でした。

   今回の選挙の特徴として「野党共闘」が挙げられますが、その成果の象徴が、甘利明自民党幹事長の小選挙区敗退(比例復活、その後幹事長を辞任)という事実です。

   石原伸晃さんは、小選挙区だけでなく比例復活も果たせませんでしたが、各社のインタビューを受ける時の態度は、立派でした。

   国土交通相や、経済再生相を歴任し、石原派を率いる元自民党幹事長である石原伸晃さんが、敗者の弁として「今回の選挙ほど、選挙民の方達と、いろいろな話ができた、すがすがしい選挙は無かった。皆さま、本当に有難うございました。」と述べていました。

渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。
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