「岸田首相が衆院選の小選挙区で敗れた甘利明幹事長の後任として、茂木敏充外務大臣を起用する方針です」と司会の羽鳥慎一がけさ2日(2021年11月)の「モーニングショー」で伝えた。
自民党の幹事長として小選挙区で初めて敗北した甘利氏はきのう1日午後、「総理にお目にかかって辞意表明を改めてさせていただきました」と述べ、岸田首相は「できるだけ早いうちに私がこの対応を決定したいと思っております」と語っていた。
「公認候補者の調整能力が高く...」
その日の夕方、茂木氏は記者団に「総理から何か話がありましたか」と聞かれ、「来年の通常国会が終わりますと、すぐに参院選ということなので、それを含めてよろしくお願いしたいと――」。「受託されたということで、間違いないですか」と問われると「はい」とはっきり答えた。
茂木氏の経歴について斎藤ちはるアナが説明する。「東大経済学部を卒業し、丸紅に勤務後、ハーバード大学大学院に留学。その後、読売新聞とアメリカのコンサルティング会社マッキンゼー社に勤務した。その後、1993年に衆議院初当選(日本新党公認)、95年に自民党に入党。これまでに外務大臣、経済再生担当大臣、経済産業大臣を歴任、自民党内では政調会長や選挙対策委員長を務めた。当選10回。
茂木氏が起用されたことについて、政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「茂木氏は選挙戦に精通していて、来年の参院選を見据えた起用だ。公認候補者の調整能力が高く評価されている。また、安倍晋三氏や麻生太郎氏と話ができる人という点も選ばれた理由だと思う」と解説する。
遅い夏休みの玉川徹(テレビ朝日)に代わる堤伸輔(国際情報誌「フォーサイト」元編集長)は「田崎さんがおっしゃったように順当な人事と言えるんでしょうね。ただ、外務大臣のとき、ひとつ気になったのは8月(2021年)にアフガニスタンから日本人や日本に協力してきたアフガニスタンの人たちを救出する際に外務省は非常に消極的で、結果的に自衛隊機で日本人1人しか助けられなかった。これは外交としてはかなり問題だったと思っています」と述べた。
(一ツ石)