10月31日(2021年)午後8時ごろ、東京・調布市を新宿に向かい走行中の京王線の上り特急電車の中で、男が乗客の胸を刃物で刺したうえ、油のような液体を車内にまいて火をつける事件が起きた。電車は国領駅で緊急停車し、駆け付けた警官が自称24歳の男を殺人未遂の疑いで逮捕した。警視庁によると、刺された70代の男性は意識不明の重体。ほかにも2人が重傷、14人が軽傷を負った。取り調べに対し容疑者は「人を殺して死刑になりたかった」「8月に起きた小田田急線の事件を参考にした」と供述しているという。また、男は渋谷駅から乗車したこと、刃渡り30センチの刃物はインターネットで購入したこと、座席にまいたのはライターオイルだったことなども供述している模様。
事件発生当時の車内の様子を撮影した映像には、火の手が上がる車両から次々と走って逃げる乗客が。しばらくすると爆発音があり黒煙が噴き出した。国領駅に停車してもドアが開かず、乗客たちは窓から脱出していた。
「苦しい人はなるべく見ないようにしてください」
逃げた乗客からは「怖かった。死ぬかもしれないと思った」、「長い刃物を持った身長の高い男がスプレーで液体をかけていた、臭いがきつかった」、「男がたばこを持っていて、それを注意されていた」などの目撃証言が聞かれた。
一夜明けた京王線は通常運航していたが、国領駅の改札脇にはいつもはいない警備員が立っていた。
総合司会の安住紳一郎アナは「現場の映像を見ているだけで息が苦しくなりそうですね。苦しい人はなるべく見ないようにしてください」と注意を喚起しつつ、「容疑者の男性は3号車で70代の男性を刺し、5号車に移動して油のような液体に火を点け、2号車に戻って警察官に確保されました」と説明した。京王線は1日186万人が利用しているという。
宇賀神メグアナは「乗客の中には、ハロウィーンの仮装かと思ったら、長い刃物を振り回したと話す人もいました」と車両内にいた男性の話を紹介。
安住アナは「2015年にも新幹線の車内で焼身自殺をした事件、2018年に新幹線でナタを振り回し3人を殺傷した事件や、8月の小田急線も似たような事件がありました。こういう事件が頻発しています」と指摘した。
(バルバス)