元CIA工作員に「文章がうまくなる」と教えられてもなあ......まるで役に立たなかった「ニューズウィーク」特集
私はしがない雑文書きだが、自慢じゃないが文章は下手である。だから、文章がうまくなるという類の特集や本を見つけるとすぐに手を出す。今週もニューズウイーク日本版に「世界に学ぶ至高の文章術」というのがあったので、早速読んでみたが、ビジネス用の文書には多少参考になるが、人に訴える文章を書こうと思っている人間にはほとんど役に立たない。プレジデントは「美しい資料術」というのをやっているが、これに近いと思う。
元CIA工作員や朝日新聞編集委員で天草支局長の近藤康太郎などが原則を述べている。CIAに文章作法を教えてもらおうとは思わないし、近藤のは以前、『三行で撃つ』(CCCメディアハウス)を読んだが、自慢話ばかりで辟易としたことがあった。
私は読売新聞で「編集手帳」を書いていた竹内政明の『「編集手帳』の文章術』(文春新書)を座右にしている。どんな文章術の本を読んでもいっていることはたった一つ、「簡潔に書け」である。いつもダラダラ書いて当欄の担当者に怒鳴られているが、これが難しいのだ。