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「恣意的に点数下げられた」韓国料理チェーンが食べログ提訴!公正取引委員会も「独禁法違反」危惧

   次は食べログについて。私も店探しに利用はするが、点数を気にすることはない。もっとも、店側にとって点数の上下は死活問題だろう。それを食べログ側が恣意的に操作していたとしたら......。

   都内の韓国料理チェーン「KollaBo」を運営する韓流村の任和彬社長は、新宿店の3・51点が3・16点になるなど、2019年5月21日にいきなり系列店の点数が下げられたという。それは、彼の店が有料店舗会員ではなかったからで、そのために損害を被ったと、食べログの運営会社であるカカクコムを提訴したのだ。

   これに追い風となったのが、Googleなど独占的な地位をもつプラットフォーマーが、アルゴリズムを変更して恣意的な操作を行っているのではないかと、世界的に問題視されていることだったと週刊文春はいう。日本でも公正取引委員会が、特定の飲食店が不利益を受ける差別的な取り扱いがあれば、独禁法に違反する可能性があるという報告書を出していた。

   そこで、韓流村がシステムの差し止め請求に加えて、食べログの点数表示を止めるよう求めると、事態は動き出したという。独禁法を扱う民事第八部に急遽、裁判体が変更され、裁判官も替わった。そして、今後の裁判で、食べログが優越的地位にあるかどうか、アルゴリズムの設定・運営が恣意的になされたかどうかも、裁判の考慮要素となるとしたというのである。

   味の分からない人間ほど、食べログの点数やミシュランの星を頼りに店を選び、うまくもない料理に高いカネを払う。私も昔そうだったが、自腹で食べない輩にこの手が多い。自分の舌を鍛えていないからだ。自慢じゃないが、今の私は、C級グルメと居酒屋については、食べログよりミシュランよりも詳しい。安くてもうまいものはうまいのだ。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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