「ノーベル物理学賞をとった真鍋淑郎さんの『私は周囲と協調して生きる能力がない』との発言が波紋を広げています」と、司会の羽鳥慎一が15日(2021年10月)の放送で取り上げた。やりやすい研究環境を求めて日本を脱出する頭脳流出の問題だ。
米国籍をとって米国で研究をつづけてきた真鍋さんは「アメリカでは好きなことができます。日本に帰らない理由はそこ」とも語った。ニューヨーク州立大の増田直紀教授は「良い研究は人と協調してやるのでなく、自分で実行してやることです」と指摘した。
研究者だけでなくスポーツ分野でも
番組のコメンテーターで日本の高校からハーバード大学に進んだ廣津留すみれさん(バイオリニスト)は「日本で質問すると、先生になんでそんなことを聞くのと言われたが、米国では『そういう質問いいね』と良い面を引き出してくれる。何をやっても自由で、学生同士も尊敬しあっている」と話した。
海外をめざすのは、研究者だけではない。野球でも、高校生球児にメジャー志願者は多い。「中には甲子園出場経験者もいます。日本では1年生のくせに生意気と言われることもあるが、アメリカでは私生活にも上下関係はない」(支援団体の1人)
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「日本のスポーツ界には封建的なものがまだ残る。たとえば甲子園の入場行進。海外の人が見たらドキッとする。軍隊的で、なんでいっしょに腕や脚をそろえて行進しなきゃならないのか分からない。アメリカは実力主義だ」
玉川徹(テレビ朝日)「日本が世界の一軍でないことを多くの人が知るようになった。一軍は世界にあるとわかってきた。世界に行けることが共通認識になった。僕だって(今なら)世界をめざしていたろう」
羽鳥「協調性社会にも良い面はあるけど、(米国では)個性を伸ばすことを重視するということですね」
自由な活動環境の整備。その必要性をこの際、改めて考えたい。
(あっちゃん)