大谷翔平の人気はもはや「ビートルズやマイケル・ジャクソンと同じレベル」⁉ 米国一流ジャーナリストたちが贈る大賛辞は、日本人の涙腺を刺激する――ほか2編

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甘利幹事長の起用でしぼんだ岸田新政権への「御祝儀相場」

   そのため、総理就任後には必ずある「御祝儀相場」がないのは、岸田にとって大誤算だろう。

   支持率の最低が朝日新聞の45%、最高が日経の59%だから、菅内閣発足時より15~20%下回ってしまった。

   安倍晋三元総理の傀儡政権だということが見え見えなところに、"疑惑の専門商社"である甘利明を幹事長にしたことで、すっかり国民の期待感はしぼんでしまった。

   以前、都市再生機構(UR)との補償交渉で、甘利や秘書たちが建設会社側から口利きの見返りに金銭を受け取っていたと報じた文春は、「待ってました」と、この疑惑の再追及を始めた。

   詳しい話は以前書いたのでここでは書かないが、おおよそこんな話である。2013年当時、URが進めていた道路工事で、予定地と隣接する建設会社との間でトラブルが起きていた。その会社の総務担当をしていたのが一色武で、交渉を好転させるために甘利の公設第一秘書だった清島健一を頼った。

   そのおかげでURから補償金約2億2000万円を得ることができ、その際、清島にお礼として500万円、その3か月後に甘利の大臣室を訪ねて、甘利に現金50万円を手渡したという。

   その後、新たなトラブルが両社の間で起こり、UR側に30億円規模の補償を求めることになった。一色側は再び甘利を訪ね、トラブルの説明をしてから50万円を渡したそうだ。

   だが、甘利の秘書たちは次第に事をうやむやにしようとしてきたため、一色は「自らが贈賄側として捜査対象になり得るリスクを冒してまで、録音データやメモなど全ての資料を(文春側に=筆者注)提供したのだ」(文春)。一色が清島に喫茶店で現金20万円を渡す現場も隠し撮りした。

   文春の報道後に甘利は経済再生相を辞任したが、結局、東京地検特捜部は甘利と秘書たちを不起訴処分にしてしまった。その裏には、当時「官邸の守護神」といわれていた黒川弘務法務省官房長の存在があったのではないかともいわれている。

   今回、甘利は幹事長という要職に就いた。就任会見でこの件を聞かれた甘利は、「私はこの事件に関して事情を全く知らされていない」「寝耳に水だった」と述べている。

   だが文春は、清島元秘書のこのような「証言」を掲載している。

――甘利氏は二回、五十万円を受け取った。

「はいはいはい」

――甘利氏が何も知らないということはないのでは?

「ああ、ゼロか百かと言えば、二十くらいみたいな......でも、政治のことは見ないようにしていますので」

   野党側も、この"事件"を再調査するといい出している。岸田は「御祝儀相場」のあるうちに解散・総選挙に持ち込もうとしているが、その目算は音を立てて崩れ始めている。

   政治下手が、人事でヘタをうち、解散の時期を見誤り、国民からそっぽを向かれる。

   岸田総理が目指すのは政界の大谷翔平かもしれないが、斎藤佑樹には失礼だが、彼と同じ道を歩む可能性が高いと見た。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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