「スッキリ」MCの岩田絵里奈アナが「10月6日(2021年)にSNSで急上昇したワードは『ほっぺちゃん』でした」と紹介したニュース。「ほっぺちゃん」は、女子小中学生をターゲットに安価なアクセサリーや雑貨を販売してきたメーカー、サン宝石が2010年に誕生させ一世を風靡したキャラクターだが、サン宝石が今年8月に負債21億円超を抱え、民事再生法の適用を申請していた。だが、そんななかでもなんとか事業を継続し、子供たちに可愛い雑貨を提供し続けたいという思いから、10月6日にクラウドファンディングをスタートさせ、話題となったのだ。
「ほっぺちゃん」の関連商品は1500種類あり、2012年には原宿・竹下通りに専門店がオープン。13年には約10億円を売り上げ、全国各地で開かれた即売会には多くのファンが殺到した。そんなサン宝石の売り上げ低迷の理由は、雑誌の発行部数の減少やコロナ禍。かつて40店舗以上あった直営店も、9月に原宿店の閉店でゼロとなり、カタログの製造・発送もできない状況に陥った。
クラウドファンディングの目標額に到達
サン宝石の渡邊駿専務は「すべての少女、かつての少女に夢を届けるため、発送できていない商品カタログを届けたい。熱烈なファンの方からクラウドファンディングの提案を受け、裁判所と相談しスタートさせた」と説明した。クラウドファンディングで集めた資金は紙のカタログの製造や発送に回す。あくまで「紙のカタログ」にこだわるのは、スマホを持たない子供たちのため。
クラウドファンディングの目標額は300万円、期間は10月いっぱいとした。6日10時にスタートしたクラウドファンディングは、その4時間後の2時過ぎには270万円を集め、3時には目標の300万円を突破。夕方7時には400万円に到達していた。放送中の7日朝8時15分現在には、その額は580万円に伸びていた。
サン宝石は「まずは11月のカタログ発送に向け動き出す」という。
タレントの「みちょぱ」こと池田美優は「私はガッツリ、ほっぺちゃん世代。毎月届く紙のカタログを楽しみにしていた。小学5年生くらいだったのでまだスマホもなく、紙のカタログに折り目をつけたり、丸く印をつけたりしていた。お小遣いの上限は決められていて、その中で何が買えるか考えるのが楽しかった」とコメント。
岩田アナも中学生当時「お小遣いの中で思い切り買い物できるのが楽しかった」と同調。しかしMCの加藤浩次は「ぜんぜんわからない。ほっぺちゃんについて娘としゃべったこともない」とコメント。
経営評論家の坂口孝則は「サン宝石は直近の売り上げが5億円しかない。民事再生法から復活できるのは3割くらいしかないというデータもある。子供は紙のカタログを見ない可能性もあり、ここが踏ん張りどころだと思う」と指摘。
タレントのモーリー・ロバートソンは「ITの普及で紙媒体は苦戦しているなか、クラウドファンディングというITで救われているというのはアイロニーですね。サン宝石はこれをきっかけに、新しい環境を学び、やり方を変えていく必要があるかもしれませんね」と話した。
加藤は「頑張ってほしいです」とコメントした。
(バルバス)