昨日4日(2021年10月)、自民党の岸田文雄総裁(64)が首相指名選挙で第100代総理大臣に指名された。
岸田新内閣の顔ぶれだが、20人中13人が新入閣。新型コロナ対策を担う3大臣は堀内詔子ワクチン担当相(55)、後藤茂之厚労相(65)、山際大志郎経済再生相(53)と全員が初入閣。新設の経済安全保障大臣には小林鷹之氏(46)、デジタル相には牧島かれん氏(44)と当選3回の若手も登用した。このように一見若手起用が目立っているように見える岸田内閣だが、実は平均年齢は61.8歳と発足時の菅内閣より1歳以上高い。
「新時代共創内閣」
政治評論家の伊藤惇夫氏は「フレッシュではあるけれどインパクトがない。新鮮でも薄味内閣」と評している。
岸田新総理は、「ワクチン接種」「医療体制確保」「検査の拡充」などコロナ対策のほか、「成長と分配の好循環による新たな資本主義の構築」を目指し、自らの内閣を「新時代共創内閣」と名付けているが、野党からは「表紙しか変わらない自公政権では命と暮らしは守れない」(立憲民主党の枝野幸男代表)など厳しい声が。
岸田総理は衆議院を14日に解散。19日公示、31日投開票の日程で衆院選を行う方針を表明しているが、日本共産党の志位和夫委員長は「議論を封殺したまま選挙」と批判する。
5日の「THE TIME,」では、スタジオに歴代総理大臣の顔ぶれがずらりと並んだパネルを用意した。
司会の安住紳一郎「杉山さんの世代はどの総理大臣から知っていますか?」
杉山真也アナウンサー「私は30代ですが、竹下さん、中曽根さんあたりですかね」
安住紳一郎「私は48歳ですが、大平正芳さんからなんとなく記憶にあります」
宇賀神メグアナウンサー「私は小泉純一郎総理が大宮に演説に来たのを覚えています。小学生でした」
安住紳一郎「小泉さんの前は知らないんだ。話が通じないわけだよね」
経済と平和
今後の政局運営はどうなるのか。番組では歴史を振り返って岸田総理の打つ手を予想した。過去を見ると、自民党が混乱する時代には宏池会から総理が誕生するといわれている。70年代は三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘と派閥の権力闘争が激しかったが、78年に総理に選ばれたのは宏池会の大平正芳氏。1991年に政治改革をめぐり海部首相が退陣に追い込まれた際、総理になったのは宏池会の宮沢喜一氏だった。
今回もコロナ禍の混乱の中、派閥間の駆け引きの結果で誕生した宏池会の岸田総理だが、宏池会とはいったいどんな集まりなのか。TBS政治部の後藤俊広キャップは「お公家集団と昔からいわれていて、権力闘争が苦手なタイプ」という。宏池会創設者の池田勇人が所得倍増計画を打ち出したように得意なのは経済政策、財政対策。岸田総理は中間層の所得拡大を目指して、新しい資本主義を実現するための経済社会ビジョンを策定するとしているが、これはいわば令和版の所得倍増計画ともいえる。
宏池会はハト派、リベラルといった面も特徴で、経済と平和が岸田総理の目指す方向となりそうだ。
安住紳一郎「政治のニュースがわかりづらいという感じる人が多いと思いますが、宏池会はどちらかというと自民党の中でもやや左、中道寄り。権力闘争が激しくなると、穏健派の人がトップになるというのが政治の世界以外でも見られるというのが私の感想です」
(みっちゃん)