和田アキ子さんは、日本を代表する偉大な歌手であると共に、大変面白いタレントさんでもあります。
私が和田さんと知り合ったのは、日本テレビの生放送バラエティ番組「スーパーJOCKEY」(1983~1999年)のプロデューサー&ディレクターだった時です。和田さんは「スーパーJOCKEY」が放送される日曜日に、TBSで少し前に生放送が始まる「アッコにおまかせ!」(1985年~)が終わってから、日本テレビに駆け付けてくれ、何度も歌ゲストとして出演してもらいました。
ハッキリとした記憶はないのですが、和田さんのデビュー何周年かの時、「スーパーJOCKEY」に出ていただいたときのスチール写真をアルバムにして控え室にお届けしたら、大変喜んでいただきました。
それ以来、公私共にとてもお世話になっていますが、私が大変感謝しているのは、音楽バラエティ番組「THE夜もヒッパレ」が始まる時(1995年4月)のことです。この番組は、以前にもこのコラムで書きましたが、自分の持ち歌は歌えない前提でランキングに入った曲を歌うというコンセプトでしたから、最初はキャスティングに苦労をしました。
1回目の放送の第10位――要するに新番組のど頭――にだれが登場するかが皆注目するところなのですが、曲は山根康広の「Get Along Together」でした。それを歌ってくれたのが和田さんだったのです。もちろんその後に和田さんの特集コーナーがある訳ですが、他人のそれも日本の歌を歌っていただいた和田さんには、今でも感謝しています。
ピアノ伴奏で歌う勝新太郎さんに芸能界の良さを思う
和田さんに関してはいろいろ思い出があるのですが、印象深いのは、ご一緒に食事をさせてもらったあとに、銀座のある店に行った時のことです。
その店に、勝新太郎さん(故人)と奥様の中村玉緒さんが現れ、起立してお迎えする和田さんと、親しそうにお話しをした後に、マイクを持って店のピアノの伴奏で、勝さんが気持ちよさそうに歌を歌いました。曲名は残念ながら記憶に残ってないのですが、歌は上手かったです。
その時、私は「本当に、芸能界っていいな」と思いました。幸せな気分に浸り、こういう出会いを作ってくれた、和田さんに感謝しました。
和田アキ子さんは、冒頭にも書きましたが、大変面白いタレントさんですが、日本を代表する偉大な歌手です。いつまでも、歌を歌ってください。