コロナ影響で船運賃高騰 ダイソーがとった「異例対応」

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   世界中のクリスマス用品の6割以上が、生産・輸出されている浙江省義烏市は、専門の卸売市場がある。27日(2021年9月)の「あさチャン!」で、上海支局の寺島宗樹・特派員が報告した。

   最近はオンラインでの商談が増え、市場は閑散としていたが、今年4月から6月のクリスマス用品の輸出額は去年より5%程度増えた。「富業玩具」では、ヨーロッパを中心に発注量が2割から3割増えた。

  • コロナ禍は船便への影響も(写真はイメージ)
    コロナ禍は船便への影響も(写真はイメージ)
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「あさチャン!」で中国の現状を紹介

   ところが、倉庫には段ボールの山が残っている。これは半年以上前に売れた商品だという。金之訓社長は、「これらは英国行きの商品ですが、お客さんには半分しか出荷できていません。3月に受けた発注ですが、今は運賃が原因で出荷を一時止めています」。

   新型コロナの感染拡大以降、港湾労働者の不足などで船便が激減し、価格も高騰。中国方面から米国西海岸方面では、去年の5倍以上、ヨーロッパ方面も6倍前後となっている。売れても、船便が取れなかったり、買い付けた業者が輸送量を払えず、出荷を渋ったりして、倉庫には製品が山積みになった。

   MCの夏目三久「せっかく業績が回復してきたところに、船便が高騰して、商品を輸出できない事態になっているが、政府としては何か対策を打ち出しているのでしょうか」

   寺島特派員「今のところとくに対策はないのですが、船便の減少と価格の高騰は世界的な問題です。輸送先のアメリカやヨーロッパももちろん関係しているので、中国一国だけで解決するのは難しいのが現状です。こうした中、100円ショップで知られるダイソーでは、今年は異例の早期出荷で対応しました」。

   大創(上海)貿易有限公司の藤村智明さんは、「いつ船が確実に出るかわからないので、早めに出荷し、確実に日本の店舗で10月半ばから販売できるよう、早めに段取りをして対応しています」。

   船便が少ないことを見越し、海外向けは例年より2カ月近く、日本向けも1カ月近く早く準備を進めて対応したという。ダイソーでは、船便の乱れは今後も半年から、1年半は続くとみている。倉庫で眠らせてしまうと、商品によっては傷みが出るため、来年は商品によっては出荷できない恐れもある。

(栄)

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