中国の不動産大手「中国恒大集団」の経営破綻への不安が広まり、きのう21日(2021年9月、日本時間)のニューヨークダウは900ドルの値下がり、日本の東証平均株価も3万円を割った。中国発のリーマンショックが起こるのではないかという恐怖が世界中に広がっているが、日本の経済や国民生活は大丈夫なのか。「めざまし8」は第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏に解説してもらった。
若狭勝「中国政府がどう出るかにかかっていると...」
恒大集団は33兆円の負債を抱えていて、おとといが期限の融資返済が不払いになったという。なぜ資金繰りに行き詰ったのか。中国事情に詳しい福島香織さん(ジャーナリスト)によると、不動産バブルに乗って経営を拡大し、電気自動車、テーマパーク、プロサッカーチームなどの経営に手を広げたが、「習近平政権はここ3年はバブル圧縮を掲げて、さまざまな規制を強化してきました。このため、恒大集団にも銀行が融資してくれなくなったんです」(福島さん)。習近平主席は「住宅は住むためのものであり、投機するものではない」と警告していた。
この恒大集団に、日本の公的年金が投資されていた。政府系のGPIF(年金積立金管理運用独立法人)は97億円を出資している。経営破綻ともなれば、これが焦げ付くが......。永濱氏は「(額は少なく)年金自体にまったく問題ありませせん。それよりも、中国政府はバブルを冷やそうとしているので、中国経済が冷えていくことは間違いありません。日本の対中輸出に悪い影響が出ることは避けられないでしょうね」と見る。
総合解説の若狭勝(弁護士)「中国政府はこうした混乱が起こることをわかっていてやっているので、今後は中国政府がどう出るかにかかっているのだと思います」
新型コロナウイルスの次は、中国発の経済不安。
(カズキ)