<10分で巡る にっぽんの廃線「関東甲信越(前編)」(NHK総合)>日曜(2021年9月12日)の朝、テレビをつけたら、懐かしい都電の映像が流れていた。『懐かしい』と言っても実際に走っているところを見ていたわけではないので、正確に言えば「懐かしそう」なのだが......。
番組は、NHKに残るアーカイブ秘蔵映像から、今は廃線となった懐かしい鉄道たちを振り返るもので、各路線をテンポよく繋いでいく、わずか10分のミニ番組だった。
その変貌ぶりが見られるのも一興
勝鬨橋を走る都電、日比谷、銀座、渋谷、新宿を走る都電の映像に目が奪われる。新宿・靖国通りを走る都電。よく見れば、その後ろには、「紀伊國屋書店」と書かれた看板や、伊勢丹も見える。そんなふうに、当時の都電の映像のあとに、同じ場所の現在の街並みが映るので、その変貌ぶりが見られるのも一興だ。
この手の番組を長尺にしようとすると、おなじみの芸能人鉄道ファンがしゃしゃり出て、悪はしゃぎし、一般視聴者は置いてけぼりだったりするが、この番組は時間も限られており、そういう余計なものは一切なく、淡々と進むところに好感がもてる。
ところが、番組の終わりに「NHKアーカイブスのホームページでは番組で取り上げた路線以外の映像もご覧いただけます。是非アクセスしてください」とアナウンスが......。結局は番組の体をした宣伝だったか、と少し興醒め。
(子守熊)