きのう15日(2021年9月)の新型コロナウイルス新規感染者数は全国で6806人、東京は1052人と減少傾向が続いているが、15日の厚生労働委員会で政府分科会の尾身茂会長は「ワクチン接種があったからといって行動制限を急に緩めると必ずリバウンドが来る。緊急事態宣言を解除し感染が落ち着いた時に徐々にやっていくのがこれから通る道」と話し、「新型コロナウイルスとの闘いは2~3年続く」と警鐘を鳴らした。また田村憲久厚生労働相は「今後、冬に向かって換気しづらい環境になり、忘年会などの機会も増える。そのため第6波が来る可能性もある。しっかり体制整備しないといけない」と訴えた。
16日の「モーニングショー」で、ゲスト解説の長崎大学大学院・森内浩幸教授は「冬は温度、湿度ともにコロナウイルスに有利な条件になる。第6波が来ないと考えることのほうが不思議」と、尾身会長らの意見に同意した。
試算結果は?
東大の研究チームの試算も第6波を警告している。9月末に緊急事態宣言を解除し、11月末までに東京都の全人口の75%がワクチン接種を完了したという前提で試算すると、宣言解除後に感染者は増加し始め、11月末には新規感染者が5000人を超え、12月中旬には1万人を超えて、緊急事態宣言発出になれば感染者は減るとしている。
研究にあたった東京大学の仲田泰祐准教授は「ワクチン接種率が100%ではなく、感染予防効果も100%ではないため、数百万人が免疫を獲得せずにいるため新規感染者が増える。また経済活動が戻ることによる人流増加の影響もある。大きな波が来たときに一時的に医療体制を拡大できる柔軟性を確保しておくことが必要」と話している。
森内教授は「ワクチンの接種率が75%で、また仮に接種してもデルタ株に対する予防効果は約60%と見られるので、今の人口の半数以上には感染が起こりうる計算になる。(略)さらに違う変異株に置き換われば、ワクチン効果がさらに下がる可能性もある」と、宣言解除後の緩みを引き締めるべきと訴える。
社会活動家の石山アンジュは「去年の段階では、6~7割のワクチン接種で集団免疫が達成できる可能性があるといわれていたが、変異株が登場して接種率が75%になっても変わらないということになった」とコメント。
テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「全体の25%は接種をしない、もしくは打ちたくても打てないとなると、その人たちには何の防御もない。1億3000万人の25%で約3000万人の中で繰り返し感染者や重傷者が出ることになる」と指摘。
森内教授は「分母が多いので、率は低くても実数は出てしまう」とさらなる警戒を呼び掛けた。
(バルバス)