14日(2021年9月)の「モーニングショー」は、東京都の世田谷区が発表したコロナ感染症の後遺症に関する調査結果を紹介した。
アンケート調査の対象は、4月15日時点で世田谷区内の病院に入院したコロナ患者で、8959人中3710人から回答を得た。「後遺症がある」と答えた人は48.1%で、「ない」と答えた人は49.3%、「無回答」が2.5%だった。
「後遺症がある」と答えた人を年代別で見ると、30代(53%)、40代(54.2%)、50代(54.6%)と、30代~50代では半数を超えた。
羽鳥慎一「軽症でも...」
日本医科大学の北村義浩特任教授は、この調査結果について2つのポイントを挙げた。
「1つは、4月半ば時点で感染が確定していた方々だけが対象だということ。この時点ではデルタ株はまだ流行っていませんでしたから、この調査結果はアルファ株の後遺症を表しているということです。2つ目は、例えば、1年といったもっと長い期間が経った結果までは見えていないということ。2点を抑えた上で言えるのは、『コロナはただの風邪ではない』ということです。治った後も我々の身体の中に何かを残し、生活を心配しないといけない」(北村氏)
東京・渋谷区の「ヒラハタクリニック」では、これまでコロナ後遺症患者2600人以上を診察してきた。平畑光一院長は「動悸や食欲不振、脱毛、味覚嗅覚障害の異常を訴える人が多い」と話す。
同クリニックに通院している20代女性は、3月末にコロナに感染。いまだに倦怠感、頭痛、胃痛、吐き気などの後遺症に悩まされているという。この女性は後遺症の療養のため、5年務めた会社を休職したが、その後も改善せず、復帰できない罪悪感から退職に追い込まれた。「コロナだけなら軽症で影響はなかったが、後遺症で人生が変わった」と女性は話す。
また、40代女性患者は2020年7月にコロナに感染し、後遺症のために9カ月間休職。ことし4月に復職したものの、今も後遺症として、微熱、せき、動悸、不整脈、不眠症、集中力低下や記憶障害などが続いているそうだ。
司会の羽鳥慎一「コロナ自体は軽症でも、後遺症が辛いという人も少なくないようですね」
北村氏「軽症か中等症かは後遺症とはあまり関係がない。軽症でも後遺症がしっかり残る人はいます。ただ、ICUでずっと人工呼吸器を付けていたというような、重症の場合は必ずと言ってよいほど後遺症は残ります。メカニズムが分かっていないので、今の時点では治療も難しいと思います」
(ピノコ)