松山英樹、マスターズを前に「怒るのはやめよう」
現代によれば、プロゴルファーの松山英樹(29)が出した自叙伝『彼方への挑戦』(徳間書店)が話題だそうだ。
2017年の全米プロ選手権。最終日は首位で、2位にはジャスティン・トーマス。11番ホールの第2打目は風もなく簡単にグリーンに乗せられるはずだった。
だがPWを振り上げた瞬間、恐怖が襲った。打った瞬間、松山は愕然とした。
「なぜ、こんな簡単なショットでミスをしたんだ。『まあしかたない』。そう気持ちを切り替えられていれば、あとの展開も変わったかもしれない。だが、そうできなかった」(『彼方への挑戦』より)。
ここから、松山のメンタルは一気に崩れる。3連続ボギーを重ね、あっという間にトーマスに首位を奪われた。
試合後はぼう然と立ち尽くすしかなかった。インタビューでは号泣した。
今年のマスターズを控えたある日、松山はこう考えた。
「みんな頑張ってくれているのに、自分だけ、なんでこんなふうに1人でストレスを抱えているんだろう。なにより、今の僕はゴルフを楽しめているのか」
肩の力が抜けた松山は、1つの誓いを立てた。それは「マスターズでは怒るのをやめよう。自分にも怒らない。仲間にも怒らない」ということだった。実際、マスターズでの立ち居振る舞いには、見違えるような余裕があった。
「『人生と同じ』などと偉そうなことは言えないけれど、ゴルフは『うまくいかない』を楽しむスポーツだ。少なくとも僕は、その楽しさと等身大で向き合っている」(同)
そうだ! ゴルフと人生とカミさんは、うまくいかなくて当たり前なのだ。